「ごっこ倶楽部」や「こねこフィルム」など、日本のZ世代の間やSNS上などで、最近何かと話題になることが多い、約1~3分の尺でストーリーが展開されていく“ショートドラマ”。実は韓国でも、そんなショートドラマを配信している有名YouTubeチャンネルが存在する。“韓国人あるある”や流行を盛り込んで制作された作品が多いのが特徴だ。
動画には韓国語字幕が付いており、「この表現はこういったシーンでよく使うのか!」「ネイティブの人はこの語尾をよく使っているな」など、YouTube動画を楽しみながら無料で学習できる。基礎的な文法や単語を覚えて、初級や中級の次の段階にステップアップする人にぴったりだと思っており、個人的にイチオシの学習法だ。今回はその中でも筆者が特にハマって見ている2つのチャンネルについて詳しく紹介する。
ジャンル:ショートコメディ、シチュエーションコント
主なメンバー:キム・ウォンフン、チョ・ジンセ、オム・ジユン
チャンネル開設:2021年
動画の長さ:約3~8分/1本
登録者数:332万人(2025年5月時点)
コメディ系YouTubeチャンネルの숏박스(ショートボックス)。演技も台本もとてもリアルで、短いが内容の濃い作品が多い。学校生活・バイト先・家族・カップル・会社員の日常などをテーマにした動画が中心。「あるあるネタ」が10代~30代を中心に共感を呼んでいるそうだ。さらに、2024年には韓国の「今年のブランド大賞」でYouTubeコメディチャンネル部門の大賞を受賞。自然な演技が魅力的なメンバーはそれぞれ、俳優やコメディアン、歌手として活躍している。
◆ピックアップ動画!
①『カン・ドンウォンはオッパ?おじさん?(강동원은 오빠야 아저씨야?)』
男性2人と年下の女性1人の計3人で、カフェを訪れたシチュエーションで繰り広げられていく作品。学生アルバイトさんから「ありがとうございます、おじさん(아저씨)」と言われたことを発端に“オッパかおじさんか論争”が始まる。メッセンジャーアプリ・カカオトークのプロフィール写真や背景画像を見て「おっさんぽい」とバッサリ切ったり、男性陣が自分たちと同じぐらいの年齢の俳優やタレントをあげ、女性に「この人はオッパか?おじさんか?」とテンポよく聞いたりしていく光景がなんとも面白い。
※オッパ:女性が主に親しい年上の男性や彼氏に対して使う言葉
②『DNA カムバックステージ(DNA 컴백무대)』
元・今月の少女(LOONA)のメンバー・チュウとNCTのマークがゲストとして出演した回。アイドルが出演している音楽番組の様子をパロディ化したコンテンツだ。アイドルがポイントダンスをカメラに向かってレクチャーする部分、次にステージを披露するアーティストを紹介する部分、どこかぎこちないトーク…。笑 韓国アイドルにハマったことがある人なら、「見たことあるシーンだ!」と感じるところがきっと多いだろう。
③『あ、そっか今日誕生日か(아 맞다 나 오늘 생일이지)』
30代の筆者が最も共感した動画だ。メッセージで自分が誕生日だったことに気づく主人公。特に何か特別なことをするわけでもなく、いつもと変わらずラーメンを作って食べる姿が妙にリアルだ。キッチンの洗い物がたんまり溜まっている、コンロ周りも汚れている、背景も細かいところまでこだわっていることに、二重で驚いた。「歳を重ねると誕生日もだんだんこうなっていくよね~」と分かりみが深い作品である。
この他にも、「장기연애(長期恋愛)シリーズ」「찐남매(本当の兄妹)シリーズ」「군인(軍人シリーズ)」など、恋愛あるあるや“韓国あるある”を垣間見られる動画が数多くアップロードされている。お気に入りの動画やシリーズを見つけて、韓国語学習のお供にするのもおすすめだ。
ジャンル:ショートコメディ
主なメンバー:キム・ギュナム、ユン・テヨン、ユン・ヒョクジュン
チャンネル開設:2022年
動画の長さ:約2~5分/1本
登録者数:182万人(2025年5月時点)
띱(ディープ)も韓国で人気のショートコメディ系YouTubeチャンネル。숏박스(ショートボックス)がコント寄りだとしたら、ディープはより現実に存在しそうなリアルな動画が多い。少し変わっている登場キャラの設定が非常に上手で、じわじわくる系の面白さがクセになる。メンバーは俳優として活躍している男女3人。撮影裏話や台本が収録された書籍『ディープ、土曜日12時にアップロードされます!(띱 Deep 토요일 12시 업로드됩니다!)』が2024年11月に、メンバーであるキム・ギュナムさんのエッセイ『必ず輝くあなたに(기어코 반짝일 너에게)』が2024年12月に刊行されている。
◆ピックアップ動画
MBTIシリーズ
筆者が、띱(ディープ)のコンテンツの中で一番好き&面白いといっても過言ではないMBTIシリーズ。SNS上で韓国好きの日本人の間で話題になっている動画もある。私自身は現在、ISFPだが「分かる!」と共感できる内容が多い。
共感が大事だという“F”、まずは問題を解決するのが大切だと考える“T”の友人3人がトークを繰り広げる『理解できないね』。カフェで“T”の人が“F”同士のカップルの話を聞きながら理解できない表情を浮かべているのが妙に面白い『Fの恋愛 / Tは理解不能』。妄想をしがちな“N”と現実的な“S”が、寝る時に考え事をするかしないかを議論する『MBTI / マジでもどかしいな』など、MBTIにハマっている人なら楽しく見れる動画が揃っている。自分のMBTIに該当する動画を見つけて視聴をするのも面白そうだ。
このほかにも、初々しい20代カップルと、大人の余裕が漂う30代カップルの会話を題材にした『20代vs30代 / 恋愛』や、女性が男性の理解できない部分を題材にして作った『男ってなんでなの?』シリーズなど、ジャンルが豊富で何度見ても飽きない。
どちらのチャンネルも、韓国の若者たちの日常や人間関係をユーモラスに描いており、短時間で楽しめるのがポイント。リアルな韓国文化を知るのにぴったりなYouTubeチャンネルだ。
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