AIの急速な進化、社会の至るところで進むデジタル化……。そんななか、実は書く瞑想と言われるジャーナリングや、日々の出来事をデジタルのスケジュールアプリではなく紙の手帳に記録する日記のようなライフログなど、アナログ回帰ブームが日韓の若者の間で広がっている。最近ではシール帳を作ったり、シール交換が流行っていたりと文房具好きの私としては、かなり嬉しいブームが到来中なのだ。
日本の文房具は可愛いらしく、どちらかといえばポップでキュートなイメージのものが多い印象だが、韓国の文房具はシンプルで余白が多く、洗練された雰囲気のものが豊富だ。다꾸(ダック・다이어리 꾸미기)、日本語でいう手帳デコのvlogもYouTubeにたくさんアップロードされている。Instagramでも「#다꾸」の投稿が2025年12月時点で480万件以上あるなど、文房具やダイアリーへの関心が高まっていることがうかがえる。そこで今回は、ソウル旅行の際に訪れたい文房具ショップを紹介していきたいと思う。
①rolledpaint
ソウル・ハプチョンにあるマスキングテープ専門店。有名独立書店「THANKS BOOKS」が入っている建物の2階にあるショップだ。ここでは一人一枚白い厚紙に、気になるデザインのマスキングテープをお試しでき、最終的に栞として持ち帰れるという文房具好きには嬉しすぎるサービスがある。マスキングテープを素材として制作したポストカードなども販売されており、あれこれ目移りすること間違いなしだ。
②flagg
2019年に誕生したデザイン文具ブランド。日常に寄り添う小さな旗のような文房具を展開している。ステッカーやメモ帳、ポストイットなどダイアリー生活を多彩に彩るものが多い。こちらもソウル・ハプチョンにオフラインストアがある。
正方形のコンパクトな箱に包装されたロールラベルシールや、デイリーラベルなど、シンプルで洗練されたデザインながら、どこかアクセントになるシールが豊富だ。手帳デコ好きは自然と鼻息が荒くなってしまうラインナップ。クールな雰囲気の手帳に仕上げたい人にはドンピシャなお店である。
③mushroom paperfarm
ソウルの弘大駅とハプチョン駅のちょうど真ん中に位置している3階建てのショップ。自分で手帳・ノートの中の組み合わせを考えていく「キノコノート」をメインに、インデックスやステッカー、さまざまな形態のリフィルを豊富に展開している。ウィークリーやデイリーなどベーシックな構成のリフィルはもちろん、絵日記のためのリフィル、ハビットトラッカー用のリフィルなど……。自分が記録したい内容に、ぴったりとハマるリフィルが見つけられる文房具ブランドだ。
④pa,pr!(파피어 프로스트)
景福宮の西側に広がる西村(ソチョン)にある、analogue keeper(アナログ・キーパー)が運営する記録好きの人たちのためのお店。このエリアは韓屋(ハノク)が多く残っており、昔ながらの街並みが特徴。古き良き韓国の生活文化が息づく一方で、若いアーティストやデザイナーが集まり、新たなカルチャーを発信する場としても注目されている。
analogue keeperの手帳は韓国の文房具好きの間でも人気が高く、Vlogなどでもよく目にする。計算し尽くされたシンプルなかわいさ。そのほかにも、淡い色を重ねたデザインのメモ用紙や手帳を飾るのに便利なシールなど、ミニマルな雰囲気や洗練されたデザインのアイテムが好きな方には刺さるブランドではないかと思う。
⑤POINT OF VIEW
聖水エリアにある3階建ての大型文具店。世界中の文具や雑貨を集めた洗練された空間で、1階「TOOL」、2階「SCENE」、3階「ARCHIVE」のテーマごとに多彩なアイテムが楽しめる。機能的な文房具から独創的なオブジェまで揃う感覚的なツールセレクトショップで、週末は混雑することもあるそう。
⑥KioskKiosk
聖水の大きな公園・ソウルスプのすぐそばにある、シンプルなものからユニークなものまで幅広く揃うセレクトショップ。豊富なラインナップが魅力。「大人のギフトショップ」をコンセプトに、文具やポスター、お香立て、マグカップなど個性的な雑貨がぎっしりと並び、見るだけでも楽しめる空間だ。
「#다꾸」のほかにも「#불렛저널」や「#다이어리」、「#다이어리그램」や「#다이어리스티커」「#다이어리꾸미기」など、さまざまなハッシュタグで検索してみると韓国の文房具オタクたちの力作をたっぷり楽しめる。図解やメモ用紙の活用方法、使っているシールなど、日本とはまた異なる趣向を知るきっかけにもなるだろう。シンプルで余白があるものが好きな方は、ぜひ韓国の文房具をチェックしてみてほしい。
(文=豊田 祥子)
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