テレビ東京の韓流プレミア枠で10月27日から放送開始となるドラマ『カーテンコール』。同作は、余命宣告を受けたお婆さんの願いを叶えるための特命を受けた男の、地上最大の詐欺劇に関わる人々の話を描く。
ドラマ『月が浮かぶ川』『風と雲と雨』『師任堂(サイムダン)、色の日記』などを演出したユン・サンホ監督と、映画『ミッドナイト・ランナー』などを手がけた脚本家チョ・ソンゴルが意気投合した作品だ。
また、カン・ハヌル、ハ・ジウォン、コ・ドゥシム、ソン・ドンイル、クォン・サンウら豪華俳優たちが集まったことで、企画段階から期待と注目が高かった。
そんな『カーテンコール』のあらすじと見どころ、そしてこのドラマの最大の特長でる涙腺崩壊ポイントをたっぶりと紹介しよう。
物語は、コ・ドゥシムが演じるホテル楽園の会長チャ・グムスンが余命3カ月になりってしまったことから始まる。
朝鮮戦争の混乱の中、チャ・グムスンは夫と我が子と離れ離れになり、1人で韓国に逃げてきた。深い悲しみを抱えながら必死に働き、ついに巨大ホテルグループ「楽園」を築き上げるも余命わずかな彼女のもとに「北朝鮮にいる孫に会えるかもしれない」という夢のような話が持ち込まれる。
ソン・ドンイルが演じる室長チョン・サンチョルが、北朝鮮に残した孫のリ・ムンソが孫を探しあてたのだ。しかし、孫はならず者だった。
グムスンを失望させたくなかったサンチョルは、売れない俳優だったジェホンに孫の代役をさせようとした。ジェホンは劇団で北朝鮮の兵士を演じていて、なまりも覚えていたからだ。
かくして、ジェホンはリ・ムンソンになりすましてジェホンを演じるのはカン・ハヌルグムスンに尽くしていき、彼女も大喜びするのだったが……。
ジェホンを演じるのはカン・ハヌル。ジェホンは劣悪な環境で育ったにもかかわらず、自己愛と自信を失わない前向きな男で、優れた俳優に成長するため手当たり次第に働きながら、お金と経験を集める頑張り屋。
「誰かを幸せにすることは、詐欺や犯罪ではない」というサンチョルの言葉に心が揺れたジェホンは、チャ・グンスンたった1人のために喜んで希代の詐欺師になるのだが、彼に半信半疑の目を向けるのがホテル楽園の後継者であるパク・セヨンだ。
演じるのはハ・ジウォン。パク・セヨンは、祖母のジャ・ムグンが建てた楽園ホテルを国際的なホテルにするという使命を持つ、実質的な経営者かつ総支配人。徹底した仕事ぶりとは違って、家族には限りなく優しいキャラクターだ。
ハ・ジウォンは1950年代を生きる若きジャ・グムスンにも扮し、北朝鮮に夫と子供をおいて韓国に定着した哀れな女性として、楽園ホテルの前身である「楽園旅館」を運営することになるチャ・グンスンも演じるなど、1人2役を見事に演じ分けている。
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そして、クォン・サンウだ。「涙の貴公子」として日本でも人気が高い彼は、楽園ホテルの総支配人パク・セヨンの元婚約者で、財閥グループの御曹司ペ・ドンジェ役を務めている。
ドンジェとセヨンにはどんな過去があり、彼女の前に再び現れた理由は何か。余裕のある表情の裏に冷たさを隠した二重性を漂わせるドンジェにも注目が集まる。
詐欺師で始まり深い感動で終わる物語が目新しくはないが、楽園宿を大手ホテルに成長させたジャ・グムスンを通じて、家族の意味を振り返る骨太な物語のなか、さまざまな人物のコミカルな日常が散りばめられた強弱のある展開は、笑いと涙を誘う。これこそ、感受性を刺激する韓国ドラマの力でもある。
また、韓国ドラマで欠かせない次回が気になるエンディングをはじめ、偽物の孫夫婦を演じるジェホンとソ・ユニ(演者チョン・ジソ)、破局した元恋人のパク・セヨンとペ・ドンジェ)まで。ハラハラする四角関係や、甘くて殺伐としたロマンスも予定されている。
いずれにしても涙なしでは見られない『カーテンコール』。
戦争によって家族を引き裂かれた無念さが物語全体を覆っており、悲しい運命の数々に必ず涙を誘われる。若き日のグムスンが夫と子供を想いながら海を見つめる姿や、象徴として建てたホテルにまつわるエピソードは胸を打つ。海を背景に繰り広げられる数々のシーンは涙なしでは見られない。
果たして最後の瞬間、ジェホンの手には何が持たされているか。そしてグムスンの本当の孫はいつ姿を現すか。これから約1か月、『カーテンコール』の行方にハラハラドキドキする午前中を迎えることになりそうだ。
構成=韓ドラ・時代劇.com
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