【ファン必読】『カーテンコール』がもっと面白くなる歴史の基礎知識

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カン・ハヌルが主演した『カーテンコール』は、2022年に特に話題になったドラマの一つだ。その第1話の最初に、1950年12月23日の興南(フンナム)の海岸の混乱状況が描かれている。そのときに、チャ・グムスン(ハ・ジウォン)は避難する船に乗れなかった夫と子供と離れ離れになってしまう。

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なぜ、そのような状況になってしまったのか。

韓国の人は誰もが知っている話だが、日本でドラマを見ると、当時のことがよくわからない。そこで、歴史的な経緯を説明しておこう。

1950年6月25日、朝鮮戦争が勃発すると、北朝鮮軍は一気に韓国の多くの地域を制圧し、残るは釜山(プサン)周辺の一角のみとなった。アメリカ軍を中心とする国連軍は、1950年9月15日に仁川(インチョン)上陸作戦を敢行した。これが成功して、朝鮮戦争の戦況は一変した。国連軍はソウルを奪回したあとに北上し、北朝鮮軍を中国国境近くまで追い詰めた。

この戦況の中で中国は軍事介入の可能性を明らかにしていたのだが、国連軍最高司令官のマッカーサー元帥は「中国軍の参戦はない」と判断。ところが、10月25日に中国軍が参戦して国連軍と激しく争った。やがて国連軍は大敗して、1951年1月4日にソウルを占領されるという屈辱を喫した。

(画像=Victory Contents)

内容を理解する歴史的な事実

戦力を立て直した国連軍がようやくソウルを奪還したのが3月15日であった。以後は北緯38度線あたりで膠着状態に陥り、1953年7月27日に休戦となって現在に至っている。

こうした経緯からもわかるように、1950年12月23日というのは、中国・北朝鮮軍の反攻によって国連軍が南にあわてて退却している真っ最中だった。特に、朝鮮半島北部の東海岸に位置する興南は工業都市として有名な町で、国連軍と住民の多くがアメリカの船に乗って韓国側にあわてて避難している。当時の混乱の途中で、チャ・グムスンは夫と子供と離れ離れになってしまったのである。

こうした歴史的な事実を知って当時何が起こっていたかがわかると、『カーテンコール』の内容をより深く理解することができるだろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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