『カーテンコール』はとにかく俳優陣が超豪華だ。キャストと役名を紹介すると、カン・ハヌル(ユ・ジェホン)、ハ・ジウォン(パク・セヨン)、コ・ドゥシム(チャ・グムスン)、クォン・サンウ(ペ・ドンジェ)、ソン・ドンイル(チョン・サンチョル)となっている。
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物語は、コ・ドゥシムが演じるホテル「楽園」の会長チャ・グムスンが余命3カ月になり、北朝鮮に残した孫のリ・ムンソンにとても会いたがった。そこで、ソン・ドンイルが演じる室長のチョン・サンチョルが孫を探したのだが、ならず者だった。
グムスンを失望させたくなかったサンチョルは、売れない俳優だったジェホンに孫の代役をさせようとした。ジェホンは劇団で北朝鮮の兵士を演じていて、なまりも覚えていたからだ。
かくして、ジェホンはリ・ムンソンになりすましてグムスンに尽くしていき、彼女も大喜びするのだったが……。
こういうストーリーで展開される『カーテンコール』は、芸達者が存分の演技を披露してくれるので見ていて「笑えるポイント」がたくさんあった。
しかし、本質を言うと、『カーテンコール』は「絶対に泣ける」ドラマなのだ。
なにしろ、朝鮮戦争のときにグムスンは夫と子供と離れ離れになってしまい、悲しみを乗り越えて韓国で生きていった。その過程の出来事は涙なくしては見られない。
しかも、死を間近に控えているグムスンには過去の悲しみの場面がたくさん甦ってくる。その一つひとつが、涙腺がゆるむほどの名シーンになっていた。
若き日のグムスンはハ・ジウォンが演じている。彼女はこのドラマではグムスンの孫のパク・セヨンに扮しているのだが、回想シーンでは若いときのグムスンになっている。しかも、北朝鮮に残してきた誠実な夫に扮していたのがカン・ハヌル。彼が演じた夫もとても印象が良かった。
こうして、カン・ハヌルとハ・ジウォンの抒情的な好演によって、『カーテンコール』は心にしみる傑作になっていた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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