人生に深みをもたらしてくれるドラマとして、放送から7年が経っても根強い人気を誇るのが、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』である。イ・ソンギュンとIUが主演したこのドラマがtvNで放送されたのは、2018年3月21日から5月17日までのことだった。全16話で構成されている。
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放送当時はこのドラマはいろいろなことで誤解されていた。まずは『私のおじさん』というタイトルがネガティブな印象を持たれてしまった。年齢差が大きい男女の恋愛ドラマだと曲解されてしまい、「ロリータ思考のドラマだ」という批判も起きていた。
決してそういう内容ではないのだが、タイトルから誤ったイメージが先行してしまったのである。しかも、物語の序盤は暗く重い展開が多く、見ていてやりきれないという声も起こっていた。
さらに第1話でIUが演じるジアンが、チャン・ギヨンが扮するイ・グァンイルに激しく暴行されるシーンがあった。大柄な男が華奢な若い女性を殴るという場面がショッキングすぎて、韓国のネット上でも非難を浴びていた。
撮影も多難だった。IUが体調問題で降板したいと申し出てきて、現場は混乱していた。キム・ウォンソク監督が説得を繰り返して結局IUは降板を取り下げたのだが、撮影の初期の頃は大変だった。
最終的に『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』はレベルの高いドラマに仕上がったが、視聴率が低いまま放送を終えた。しかし、2019年には百想芸術大賞・ドラマ部門で「作品賞」を獲得。
さらに、世の中は何が起こるか本当にわからない。放送から2年経ってからNetflixで『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』が配信されるようになると、一気に視聴する人が増えていった。
埋もれてしまった作品に火が付いたのだ。時代は明らかに変わってきた。配信サービスによって過去の作品も視聴者数を増やすことができる…それを見事に証明したのが『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』であった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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