6月15日よりNetflixで配信される韓国時代劇『青春ウォルダム~運命を乗り越えて~』は、謎に満ちた呪いと無実の罪に追われた男女が織りなす、切なくも痛快な運命の物語である。
【関連】【『青春ウォルダム』の功績】謎めいた「ミステリー時代劇」のジャンルを切り開いた!
主人公の名はイ・ファン(演者パク・ヒョンシク)。本来なら王位とは無縁であるはずの第二王子だったが、兄の急死により突如として世子に選ばれた。しかし、運命は彼に微笑まなかった。ある日届いた一冊の「呪いの書」が、彼の世界を一変させる。
それには「お前が兄を殺した」との不気味な文言と、「やがてお前も同じ運命をたどる」と書かれていたのだ。政敵の陰謀か、それとも亡霊の仕業か。イ・ファンは疑念と恐怖に苛まれながら日々を過ごすことになる。そんな中、さらなる事件が王宮を揺るがす。イ・ファンが師と仰ぐ重臣の一家が、毒によって命を落としたのだ。
そしてその容疑をかけられたのは、イ・ファンの親友ハン・ソンオン(演者ユン・ジョンソク)と婚約していたミン・ジェイ(演者チョン・ソニ)であった。
両親と兄を同時に失ったうえに、罪人として追われる身となったミン・ジェイ。唯一頼れる相手を求め、彼女が助けを求めたのはイ・ファンだった。
しかし、世子という立場にある彼にとって、彼女をかくまうことは大きなリスクを伴う。ましてや、毒殺事件の真相すら見えぬ中、彼女の訴えが真実かどうかも定かではない。それでも、イ・ファンは決断する。王宮の内官としてミン・ジェイを密かに匿い、真実を探る旅に共に乗り出す。
次第に、冷たく閉ざされていた2人の心は少しずつほぐれ、互いに深く惹かれ合っていく。だが、宮廷内に渦巻く陰謀と、誰が味方で誰が敵かも分からぬ状況の中、2人の絆は幾度となく試されることになる。
本作の魅力は、緻密に構築されたミステリー要素に加え、キャラクターたちの成長と感情の交錯にある。特に、パク・ヒョンシク演じるイ・ファンの複雑な内面は見応えたっぷりだ。
重責に押しつぶされそうになりながらも、愛と信念を手がかりに前進しようとする姿は、現代を生きる視聴者にも深い共感を呼び起こす。
また、ミン・ジェイを支える小間使いチャン・ガラム(演者ピョ・イェジン)の存在も見逃せない。忠義と友情を胸に、命をかけて主を守る彼女の姿は、物語に温かさと力強さを添えている。
『青春ウォルダム~運命を乗り越えて~』は、宮廷の陰謀と若者たちの成長、そして命を懸けた愛を描いた一大ロマンス活劇である。
「青春」という言葉が意味するように、これはただの時代劇ではない。苦しみや悲しみの中でも、未来を選び取ろうとする若者たちの物語であり、それこそが本作最大の魅力なのだ。
真実を求めて歩み続けるイ・ファンとミン・ジェイの姿に、誰もが心を動かされるだろう。愛と信念、そして運命への抵抗が織りなすこの美しい物語は、間違いなく多くの視聴者にとって“記憶に残る作品”となるとなるので、ぜひ見てほしい。
文=大地 康
■【関連】『青春ウォルダム』で世子役を演じるパク・ヒョンシク、実は時代劇体質!?
■【写真】『青春越壁』パク・ヒョンシク、チョン・ソニが“交感”した瞬間
■【関連】貴重な役作りをしたパク・ヒョンシク!国王と世子を演じた俳優はどれほど珍しいのか前へ
次へ