特に時代劇で印象的な役を演じてきたチョン・ユミは、1984年2月23日に生まれ、2003年に映画『シルミド』で女優としてデビューした。彼女の名前が一躍有名になったのは、2010年に『トンイ』に出演したときだ。演じたのは観察府の女官チョンイムである。仕事にとても忠実であったが、最初は、ハン・ヒョジュが演じた主人公トンイのことを快く思っていなかった。
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ところが、トンイがなんでも一生懸命に打ち込む姿を見て、誤解を解いて徐々に好感を持つようになった。その後はトンイとチョンイムがとても信頼できる仲間同士になっていったが、そういうキャラクターの変化をチョン・ユミが巧みに演じ分けていた。
さらにキャリアが輝いたのは2014年だ。チョン・ユミは『イニョプの道』で念願の主役を果たした。このドラマは、両班(ヤンバン)の令嬢から転落したイニョプが主人公になっている。彼女は名家の御曹司と婚礼する日に、なんと父が陰謀に巻き込まれて逆賊として処刑されてしまった。
人生が一気に暗転したイニョプは、逆賊の娘として奴婢にさせられて、どん底まで落ちた。そこから這い上がっていくプロセスをチョン・ユミが意志の強い演技で重厚に演じていた。
その後のチョン・ユミは演技派として活躍を続け、『ジャスティス―検法男女―』シリーズ(2018年と2019年)の実力が評価されて、MBC演技大賞最優秀演技賞に輝いている。
最近では、2024年に『于氏王后』で真価を発揮した。演じたのは、主役のチョン・ジョンソが演じた王妃ウ・ヒの姉となるウ・スンだ。
彼女は欲望が深い女性であり、チ・チャンウクが扮した国王コ・ナンムの飲料水に媚薬をまぜてしまった。それが原因となって国王が急死するというのが『于氏王后』のハイライトだったが、チョン・ユミはこのドラマで重要な役を妖しく演じていた。
今後も個性的な女優として、チョン・ユミは演技の奥深さを存分に見せてくれることだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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