女優キム・ミニ（43）の人生にまた一つ、大きな転機が訪れた。
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かつては名監督たちに愛された「ミューズ」として名を馳せた彼女は、それからホン・サンス監督のパートナー、そして婚外子を持つ母となった。
すべての人に祝福される選択ではないかもしれないが、母として新たな人生の幕を開けたのだ。
映画界の関係者によると、キム・ミニは最近、ホン・サンス監督との間に男児を出産したという。
現在は京畿道・河南市に位置する産後ケアセンターで過ごしているとされる。
今年1月に妊娠のニュースが報じられてから約3カ月後の出産だった。
キム・ミニは43歳での初出産、ホン・サンス監督は65歳の高年齢でパパとなった。
2人は10年近くにわたり不倫関係を続けている。
2015年の映画『正しい日 間違えた日』で縁を結んだことをきっかけに、内縁関係に発展した。
ホン・サンス監督にはすでに妻と娘がいたが、キム・ミニとの関係が発覚した後、30年連れ添った妻と離婚調停に入った。だが、妻が「家庭を守りたい」との意志を示し、離婚調停は裁判へと進んだ末に棄却された。
プライベートの波紋が広がる中、映画『夜の浜辺でひとり』の記者会見に2人揃って出席した2017年3月、交際を公に認めた。
当時ホン・サンス監督は「私たちは愛し合う仲。誠実に愛し合っている」と堂々と語り、キム・ミニも「心から向き合い、愛しています」と涙ながらに語った。
以降、キム・ミニには「不倫女優」というレッテルがつきまとうこととなった。彼女はパク・チャヌク監督の映画『お嬢さん』で強烈な印象を残し、演技力を高く評価されたが、不倫を認めて以降はホン・サンス監督の作品にしか出演していない。
これは、映画界やファンにとっても惜しまれる出来事だった。
女優業初期には演技力をめぐる批判もあったものの、『火車 HELPLESS』『恋愛の温度』『お嬢さん』などを通じて、独自のスタイルで存在感を放つ女優へと成長。多くの映画監督にとって「ミューズ」であり、「時代のアイコン」とも呼ばれていた。
実際、キム・ミニが『お嬢さん』で「ディレクターズ・カット・アワード with JIMFF」にて主演女優賞を受賞した際、プレゼンターを務めたイ・ヒョンスン監督は「監督たちの気持ちは変わっていない。演技と映画への情熱には他のことは関係ない。ミニ、監督たちは君を愛している」と語り、変わらぬ支持を表明した。
キム・ミニはその後、映画『夜の浜辺でひとり』で「第67回ベルリン国際映画祭」の銀熊賞（主演女優賞）を受賞し、2020年には米『ニューヨーク・タイムズ』紙の「21世紀の最も偉大な俳優25人」にも選出された。
かつては多くの監督と映画ファンに支持されてきたキム・ミニ。
しかし今では、ホン・サンス監督ただ一人のミューズとしての道を選び、43歳で婚外子を出産するという「マイウェイ」を歩み続けている。
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