韓国のテレビ界では時代劇が数多く作られている。その理由は視聴率を取れる可能性が高いからであり、このジャンルは視聴者から根強い支持を受けているのだ。その背景として、歴史好きの人が多いことが挙げられる。
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実際、韓国で歴史は単なる学問や教養ではなく、むしろ教訓や生き方なのである。その延長で、時代劇がとても好まれている。
このように大きな関心を寄せられている韓国時代劇……その大きな特徴を整理すると、「歴史的な人物像」「成功物語」「エンタメと史実の融合」という3つのキーワードがある。
まずは「歴史的な人物像」から。時代劇で多いパターンは、主人公の身のまわりで起こった歴史的な出来事を何でもかんでも詰め込んでいることだ。
さらに、その人物像も実にていねいに描こうとする。そして、制作陣と出演陣が精も根も尽き果てるまで物語を徹底的に描き切る。この執念深さが時代劇の真骨頂である。
2つ目のキーワードは「成功物語」。どの作品でも主人公が苦難の中で少しずつ成長していく姿が描かれている。
古くは『宮廷女官チャングムの誓い』『イ・サン』から最近の『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』まで、多くの時代劇は波乱の歴史の中で生き抜く主人公のサクセス・ストーリーなのである。しかも、主人公の成長を視聴者も一緒に見守ることができる。その一体感が大きい。
3つ目のキーワードは「エンタメと史実の融合」。時代劇は歴史を扱っているので、どうしても史実に拘束される部分が多い。けれど、制作者たちはわりと自由奔放にドラマを作っている。
もちろん、曲げてはならない史実というものがあり、その点で勝手な歴史を作るわけにはいかないのだが、大方の流れが事実と合っていれば、細部はとことん創作して話を面白くする……このように、エンタメと史実のバランスが絶妙に合っているのが時代劇の持ち味なのである。
以上の3つのキーワードが生き生きしている時代劇ほど抜群に面白くなる。
文=大地 康
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