2006年に『春のワルツ』に主演したハン・ヒョジュは、その後に次々とオファーを受けて、『空くらい地くらい』『イルジメ~一枝梅』に出演した。そして、満を持してヒロインを演じたのが2009年の『華麗なる遺産』だった。
最高視聴率が47.1%という驚異的な大ヒット作となり、「国民代表ドラマ」と呼ばれた。ハン・ヒョジュが扮したコ・ウンソンは、父の死や弟の失踪という困難に次々と襲われるが、不幸にもめげず明るく生きて、視聴者に勇気と感動を与えた。
ハン・ヒョジュ自身は、『華麗なる遺産』の台本を最初に読んだときに、とても面白いという印象を受けたという。
「セリフのひと言ひと言が胸に響いてきて、“この場面を表現したい” “ウンソン役をぜひ演じたい”と思いました」
すぐにハン・ヒョジュの心を捉えたウンソンという役は、どんな女性だったのだろうか。
「全般的にウンソンというキャラクターは非常に負けず嫌いで、いろいろな困難を乗り越えていく女性です。自分の主張をきちんと相手に伝える明るく活発な性格が気に入りました。この役柄を通じて、人間の喜怒哀楽を豊かに表現できるのではないかと考えました」
ハン・ヒョジョが明確に語るように、ウンソンは、女優魂を刺激してくれるキャラクターだった。
いざ撮影が始まると、ハン・ヒョジュはスタッフ、監督、共演俳優とよく息が合ったという。
「本当に気持ちよく演技ができました。実際にリラックスして演じられただけではなく、その場の雰囲気を楽しめました。同時に、この作品をやって良かったのは、演技で泣いたり笑ったりというときに、見ている方々が同じ感情を共有してくださったことです。とても幸せに感じました」
こうして、『華麗なる遺産』はハン・ヒョジュの女優人生を大きく変える転機となった。この作品の成功があったからこそ、彼女は「時代劇の巨匠」イ・ビョンフン監督の指名を受けて、大作時代劇『トンイ』の主役に選ばれたのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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