【ベストセラー作家が推す韓国時代劇】卓越した逸話をドラマ化した『王女ピョンガン』

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『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』は、序盤からスケールの大きい展開が続いて、古代の三国時代ならではの歴史大作となっている。このドラマは韓国であまりに有名な歴史エピソードをモチーフにしている。

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それが「ピョンガン王女と馬鹿のオン・ダル」の話だ。中身は、高句麗(コグリョ)において物好きなピョンガン王女が馬鹿と呼ばれたオン・ダルと結婚して夫を内助の功で成功させる、というスリリングな内容だ。

具体的に『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』ではどんなストーリーになったのか。

舞台は6世紀中盤の高句麗。国王の長女であるピョンガン王女は、愛国心がとても強かった。当時、国境を警備する順奴(スンノ)部族のオン・ヒョプ将軍には、オン・ダルという息子がいた。けれど、息子はのんびり育っていた。

そんな中、王宮で政変が起きた。ヨン王妃はオン・ヒョプ将軍を頼ったのだが、最後は殺されてしまう。ピョンガン王女も行方不明になってしまい、オン・ヒョプ将軍さえも陰謀によって逆賊にさせられて死亡した。

8年後、記憶をなくしているピョンガン王女は「カジン」という名前になり、刺客となって父親である国王を狙っていく……。

『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』
(©2021 Victory Contents Co.,Ltd. All rights reserved)

印象的な存在感

こういう展開の『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』では、ピョンガン王女を演じるキム・ソヒョンの熱演ぶりが素晴らしい。彼女は子役時代から演技に定評があったが、大人の女優として大成した今回も「国を愛する強い王女」を魅惑的に演じている。

一方、オン・ダルに扮するナ・イヌは朗らかな演技を見せている。ピョンガン王女は緊迫した場面を迎えることが多いのでキム・ソヒョンも眉間にシワを寄せて厳しい表情を浮かべているが、そんなピョンガン王女に寄り添うオン・ダルは天真爛漫で物事を前向きにとらえている。実際、味のあるキャラクターをナ・イヌが爽やかな笑顔で柔らかく演じている。

彼は2024年に大ヒットした『私の夫と結婚して』で大人気を博したが、その3年前の『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』でも印象的な存在感を見せてドラマを大いに盛り上げていた。

〔『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』ドラマ概要〕
制作/KBS、全20話、2021年 
配信/U-NEXT、Lemino、Amazon Prime Video
演出/ユン・サンホ
脚本/ハン・ジフン
出演者(演じた役名)/キム・ソヒョン(ピョンガン王女)、ナ・イヌ(オン・ダル)、イ・ジフン(コ・ゴン)、チェ・ユファ(ヘ・モヨン)、カン・ハヌル(オン・ヒョプ)

文=康 熙奉(カン ヒボン)

作家。1954年東京・向島で生まれる。韓国の歴史・文化・韓流や日韓関係を描いた著作が多い。『知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物』を含めた朝鮮王朝三部作は70万部を超えるベストセラーとなった。最新刊は『朝鮮王朝「背徳の王宮」』。

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