韓国ドラマの中でも特に人気があるジャンルの「時代劇」。20年間で特に評価が高かった5本を選んでみた。それは次の5本である。
・日本で韓国時代劇を根付かせたレジェンド作品『宮廷女官チャングムの誓い』
・架空の物語だが歴史に根付いた信憑性があった『太陽を抱く月』
・視聴者の共感を得られる演出が見事だった『イ・サン』
・名君と宮女の抒情的な愛を描いた王宮ロマンスの『赤い袖先』
・王宮の中で誠実に生きるヒロインを明るく描く『トンイ』
まさに「究極の5本」と言えるだろう。順に紹介していこう。
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●『宮廷女官チャングムの誓い』(2003-2004年)
イ・ヨンエが扮したチャングムは、朝鮮王朝を描いた時代劇の最高級のヒロインだ。史実でチャングムは「朝鮮王朝実録」に10カ所ほど出てくる実在の医女なのだが、その女性をイ・ビョンフン監督が見事に脚色した。
前半は卓越した料理人であり、中盤で彼女は陰謀によって済州島に流罪になって医術を学んだ。そして、後半では医女として大活躍する。イ・ヨンエの演技が素晴らしく、彼女の存在感が際立っていた。
●『太陽を抱く月』(2012年)
ヨ・ジングとキム・ユジョンが子役として素晴らしい演技を披露して、序盤を大いに盛り上げた。子役を引き継いだキム・スヒョンとハン・ガインは、主人公カップルの謎めいた関係を美しく演じた。
さらに、国王の側室から生まれて王位に就けない王子を演じたチョン・イルの演技がとても良かった。実際、潤んだ目が哀しみをよく表していた。物語は史実に基づかない架空の設定だが、大妃の陰謀などは歴史上にもありそうなほど信憑性に満ちていた。
●『イ・サン』(2007-2008年)
序盤からスリリングな展開が続き、一気に視聴者の心をつかんだ。特に、思悼世子(サドセジャ)の米びつ餓死事件という悲劇的なエピソードを巧みに取り入れた脚本が秀逸だった。さらに、暗殺の危機に怯えながら苦難を克服しながら成長していくイ・サンの姿が勇ましく描かれていた。
このように、視聴者の共感を得られる演出が見事だった。主役のイ・ソジンは悩める国王を迫真の演技で表現し、ヒロインを演じたハン・ジミンの清楚なイメージが印象的だった。
●『赤い袖先』(2021~2022年)
イ・ジュノ(2PM)とイ・セヨンの表現力が豊かな演技に感情を揺さぶられる視聴者が多かった。内容は、イ・サンと宮女ソン・ドギムの恋物語を描いた王宮ロマンスであり、歴史的な出来事も重厚に扱っていた。
さらに、王宮に奉職した宮女たちの生き方を実録のように見せてくれた。また、特筆したいのは美的感覚があふれた映像である。究極的な愛を確信したイ・サンとソン・ドギムの2人を、ドラマは抒情的な映像で描いていた。
●『トンイ』(2010年)
日本で韓国時代劇の人気ランキングを行うと、常に上位に入る名作である。イ・ビョンフン監督は史実で謎に包まれていた淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)を王宮の中で誠実に生きるヒロインに設定し、ハン・ヒョジュが明るく演じて人気を博した。
それを含めて、脚本が工夫されていて物語に深みがあった。また、淑嬪・崔氏のライバルとなる張禧嬪(チャン・ヒビン)も、わりと単純な悪女ではなく、家族のために悪女にならざるを得ない事情も同時に描いていた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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