韓国・釜山で「第29回釜山国際映画祭」が開催されているなか、10月4日にはスペシャルトークイベント「故イ・ソンギュン俳優を偲ぶ『マイ・ディア・ミスター』」が行われ、俳優パク・ホサン、ソン・セビョクと、キム・ウォンソク監督が出席した。
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今回の釜山国際映画祭では、昨年12月に亡くなったイ・ソンギュンさんを追悼する特別企画プログラムが行われる。彼の代表作である『坡州』(2009)、『ソニはご機嫌ななめ』(2013)、『最後まで行く』(2014)、『パラサイト 半地下の家族』(2019)、『幸福の国』(2024)、ドラマ『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』(2018)の6作が上映され、ゲストを招いたスペシャルトークが行われる。
韓国で2018年3月から5月に放送されたドラマ『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』は、人生の重荷を背負いながら生きるドンフン(演者イ・ソンギュンさん)と、厳しい生活を送ってきた若い女性ジアン(演者IU)が、お互いを通じて心を癒していく物語だ。
演出を務めたキム・ウォンソク監督は、「ドラマの制作に追われ、彼の葬儀に参列できなかった」と口を切り、「このイベントは彼を偲ぶ第一歩だと思う。彼がなぜこの世を去ったのか、どのような人だったのかを思い出すイベントが多く行われると信じている」と語った。
同作でイ・ソンギュンさんと三兄弟役だったパク・ホサンとソン・セビョクは、「彼がいないと思っていなかった。でも終わってみると、いない。会いたい」「葬儀にも参列したし、時間が経ったのにまだ悪夢を見る感じだ。このような場にいることで、少しずつ実感が湧いてきた」と、喪失感を表した。
さらにキム・ウォンソク監督は「最近特に感じることだが、世間に見放され、攻撃される立場の人々はどれほど辛いだろうか。そうした状況が『切り捨てられる』ということだ。無根拠な記事を出したメディアや警察、検察、こういう人たちを大衆が許したからだ。僕たち大衆は、メディア時代の強者であることを自らよく知っている。僕が言いたいのは、切り捨てるまでにもう少しチャンスを与えてほしいということだ。たとえ犯罪を犯してもチャンスを与えることができると思うが、(イ・ソンギュンさんの場合は)犯罪でもなく、証拠するない状況だった。絶対的な強者はみなさん(大衆)だ。特に俳優たちは本当に弱い人たちだ。みなさんの支持と応援がないと、存在できない」と自身の所信を述べた。
ソン・セビョクは「(イ・ソンギュンさんを)葬儀場から墓地まで見送り、別れの挨拶をした。彼が安らかに眠っていることを信じている。今日のこの場も見守っている気がする」とコメント。
パク・ホサンは「僕たちは君を信じている。恥じることはない。大丈夫だ」とイ・ソンギュンさんにメッセージを送った。
キム・ウォンソク監督も「僕が君を知っている。君が何をやらかしたとしても、君のことを信じる」と言いながら込み上げてくる感情を抑えた。
(記事提供=OSEN)
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