テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』は、序盤からキム・ソヒョン(ピョンガン/ヨム・ガジン)とナ・イヌ(オン・ダル)が息の合った演技を披露している。とても面白い展開が続いているが、このドラマの舞台になっているのが古代の高句麗(コグリョ)だ。時代は560年代が描かれている。
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当時は、百済(ペクチェ)、新羅(シルラ)、高句麗が三国時代を形成していて、3つの国が激しい領土争いを繰り広げていた。その中でも、高句麗は強力な騎馬軍団が活躍して「古代の雄」と呼ばれていた。
その高句麗の歴史を見てみよう。初代王の朱蒙(チュモン)が高句麗を建国したのは紀元前37年のことだ。そして、19代王であった広開土大王(クァンゲトデワン/在位391-413年)は緻密で鮮やかな戦略により領土を驚異的に拡大した。
その結果、高句麗は三国時代の中でも最も権勢を誇る強国へと飛躍した。このような背景の下、25代王として平原王(ピョンウォンワン/在位559-590年)が登場する。
『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』では、彼が情けない小心者として描かれている。しかし、歴史のページをめくると、『三国史記』は彼を「胆力があり、馬上で弓を射るのが巧みだった」と記している。つまり、国王はドラマが示す小心者とはかけ離れた、むしろ堅実で弓の技に長けた達人であったのだ。これが、ドラマと史実の間の顕著な違いである。
その後も、高句麗は三国時代において強国としての地位を維持し、中国大陸を制圧した唐の強大な軍勢の攻撃にも屈することがなかった。しかし、7世紀中盤以降に内紛が勃発し、弱体化した結果、668年には新羅・唐の連合軍に敗北し、ついに滅亡の運命を辿った。
総じて、広開土大王の時代から平原王の時代にかけて、高句麗は三国時代の中でも躍進していた。そんな時期をダイナミックに描いているのが『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』なのである。本当にスケールが大きい歴史ドラマだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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