ひとくちに「韓国時代劇」と言っても、いろいろなスタイルがある。純粋な歴史もの、ドキュメンタリータッチの実録もの、宮廷を背景にしたラブロマンスもの、特異なキャラが出てくるコミカルもの、派手に展開されるアクションもの……など。そうした多様な作り方ができるのも韓国時代劇の持ち味なのである。
【関連】『ノクドゥ伝』は単なるラブコメでなく歴史上の大事件をスリリングに描く!
その中で、ラブコメとシリアス史劇が交互に出てくる痛快な時代劇を紹介しよう。
最初は『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』である。この物語の中心となるのは、主役を熱演するチャン・ドンユンが扮するノクドゥで、彼は男性禁制の村へ潜入するために大胆不敵な女装を敢行する。
さらに、魅力あふれるキム・ソヒョンが扮するドンジュとの奇妙な同居は、愉快なラブコメディの展開を紡ぎ出す。しかし、物語後半には、緊迫感あふれるシーンが連なる。
特筆すべきは、ノクドゥが実は国王の息子であることが判明し、王位を巡る争いが極限まで激化するところだ。実際、光海君(クァンヘグン)と仁祖(インジョ)の対決はシリアスな歴史劇としても圧倒的な存在感を放っている。
次いで注目すべきは『100日の郎君様』である。主役ド・ギョンスは、初めに不機嫌な世子を演じるが、暗殺未遂に遭い記憶喪失になり、間の抜けた村人に一変する。ナム・ジヒョンはしっかり者の妻として登場し、夫婦のほのぼのとした日常がクスクスと笑える。物語の後半では、王宮に戻った世子が悪徳高官との対決に挑み、ハラハラドキドキのシーンが続く。
結局、ふたつのドラマは一貫して視聴者を惹きつける魅力に満ちている。『ノクドゥ伝』は、ラブコメからシリアスな歴史劇へとジャンルを横断する特徴を持ち、『100日の郎君様』は、記憶喪失というプロットを軸にラブコメと歴史劇を巧みに織り交ぜている。それぞれのドラマは、異なる要素を絶妙に融合させている。
時代劇といっても、固いイメージで見ることはない。韓国のドラマは常に新しいテーマをコラボするような進取の姿勢に満ちている。
まだ見ていない人は、年末年始の長い休みにぜひ『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』と『100日の郎君様』の楽しい世界にひたってみよう。
文=大地 康
■【関連】『100日の郎君様』でド・ギョンスの「不愉快きわまりない」に胸キュン!
前へ
次へ