異色のラブコメ時代劇『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』では、主役のチャン・ドンユンが主人公のノクドゥを演じて序盤から艶やかな女装姿を見せている。そして、ヒロインのキム・ソヒョンが演じるツンデレ女子のドンジュと奇妙な同居生活を続けていて、2人の愉快なやりとりが見る人を大いに楽しませてくれる。
その中でも、チャン・ドンユンが見せる華麗な変わり身に目を奪われてしまう。なにしろ、女装姿の合間に筋骨隆々の腹筋がチラリと見えたりする。チャン・ドンユンは華奢(きゃしゃ)に見えても、実はたくましい肉体美を持っているのだ。
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それでいて、色が鮮やかな衣装を着ながら舞いを躍るような所作(しょさ)を随所に見せている。そのギャップがまたゾクゾクさせてくれる。本当にチャン・ドンユンは常識を覆してくれる「意外性を持った俳優」なのだ。
そんな彼は、楽しみながら女装姿を演じているように見えるのだが、そこには俳優として並大抵ではない苦労があった。特に、声の出し方がとても難しいそうだ。
チャン・ドンユンもこう語っている。
「女性を演じるからといって、高めの声を出してわざとらしくするのはやめようと思っていました」
その言葉は理にかなっている。当然ながら低めの声質を持つ女性もいるからだ。
何よりも、チャン・ドンユンは自然なふるまいが一番大事だと考えた。そこで彼は女性の多様性を意識しながら、どうやったら自然に見えるかということに集中した。
その点では悩みが深かったが、もともとはチャレンジすることが好きなので、苦労も自分のためになると思い直して前向きに捉えた。そうした心がけはドラマでもプラスに作用した。チャン・ドンユンが見せる女装姿は絵のように美しい場面が多かった。
結局、本当は男であることがドンジュにバレてしまったが、それからのノクドゥは「本来の男」と「あくまでも女装姿」を使い分けるようになった。こうして『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』は、チャン・ドンユンの七変化を大いに楽しめるドラマとなった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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