テレビ東京の韓流プレミアで10月10日から始まった『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』。数多くの時代劇で印象に残る演技を披露してきたチョン・イルと、「少女時代」の一員として一世を風靡したクォン・ユリが魅惑的な王朝カップルに扮して話題を集めている。
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このドラマは、朝鮮王朝時代に女性が再婚できない風習を取り上げている。未亡人に好きな男性ができた場合、寡婦を布で覆う行為(「ポッサム」と呼ばれる)で誘拐する話が物語のきっかけになっている。
本当にユニークな始まりなのだが、ドラマが描いているのは光海君(クァンヘグン)の統治時代だ。彼は1608年に即位して1623年にクーデターで王宮を追放されて廃位になった。つまり、その間の15年間が『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』の主要舞台というわけだ。
当時は、政治闘争が激化していた。それは、光海君の即位そのものが「薄氷を踏む」ように不安定だったことから起因している。彼は政権を安定させるという名目で兄や異母弟を殺しており、それが骨肉の争いを生んで政権を揺るがせていたのだ。そんな状況の中でキム・ゲシのような悪女が跋扈(ばっこ)して、高官たちと激しいバトルを繰り広げた。
こうした時代背景の中で、光海君の娘が「ポッサム」によって間違って誘拐されて、なおかつ死んだことにされてしまう、というのが『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』のスリリングな展開の基になっている。
チョン・イルが演じる主人公のバウは、当初は「善意の誘拐」を請け負う暴れん坊として登場するのだが、彼は単純な盗っ人ではない。激動の時代に大志を成し遂げるほどのスケールの大きさを持った快男児なのであり、彼の本領はドラマが後半に入っていくほどに発揮されていくことだろう。
いずれにしても、『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』は光海君の統治時代の政治対決を華々しく描いており、当時の大事件を重厚に描いた歴史巨編という性格を持っている。本当に楽しみな時代劇だ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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