テレビ東京の韓流プレミアで放送中の『赤い袖先』。9月18日の第12話では、イ・セヨンが演じるソン・ドギムが大ピンチに陥っていた。彼女は『赤い袖先』の第1話でイ・ドクファが演じた英祖(ヨンジョ)から、亡くなった側室の映嬪(ヨンビン)が書いた書をもらっていた。とても印象に残るシーンであった。
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しかし、成人した後、ソン・ドギムが映嬪の書を持っていたことが大問題となった。英祖が寵愛した側室の書をなぜ一介の宮女が持っているのか。「盗んだのではないか」と疑われて、彼女は王妃キム氏から厳しく尋問されてしまった。
イ・ジュノが演じるイ・サンも駆けつけてきてソン・ドギムを弁護してくれたのだが、疑惑を晴らすことはできなかった。結局、この問題は英祖に事実を確認してもらうこととなった。しかし、年老いた英祖は昔のことをよく覚えていなかった。それは仕方がないことだった。
とはいえ、ソン・ドギムも諦めるわけにはいかなかった。彼女にしてみれば、宮女として命がかかっている。彼女は必死に当時のことを英祖に詳しく描写してみせた。
すると、英祖はしっかりと思い出し、彼は「幼い宮女が達筆になりたいという希望を述べたので映嬪の書を渡した」ということを証言してくれた。なんとかソン・ドギムは大ピンチを免れることができた。
それは決してドラマだけの話ではなかった。というのは、史実でもソン・ドギムはとても達筆だったからである。彼女はイ・サンの2人の妹たちと一緒に古典小説『郭張両門録』の筆写に取り組んだことがあった。『郭張両門録』は郭家と張家という二つの名家のエピソードを綴った小説であり、ソン・ドギムは当時の人気小説を筆写できるほどの才能を持っていたのだ。
このように、宮女の中で抜群の教養と達筆ぶりを誇っていたのがソン・ドギムであった。才能豊かな彼女が、神童と呼ばれた天才肌の名君であるイ・サンに愛されたのも必然性があることだった。そのことが『赤い袖先』を見ているとよくわかる。
文=大地 康
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