【権力の代償】『イ・サン』が描く洪国栄の悲劇的な最期

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テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『イ・サン』では、8月18日の第68話でついに洪国栄(ホン・グギョン)が死んでしまった。

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ハン・サンジンが演じた洪国栄は、ドラマにおいて主役のイ・サン(イ・ソジン)の次に出番が多いキャラクターだった。なにしろイ・サンがまだ世孫(セソン)の頃から側近として支え、洪国栄の力があったからこそイ・サンは無事に即位することができたと言えるほどであった。まさに、欠かせない人材だったのである。

しかし、イ・サンが即位した後の洪国栄はあまりに権力を持ちすぎたようだ。そのせいか、人がすっかり変わってしまった。自分の妹をイ・サンの側室に送り込んだり、他の高官たちを卑下してしまったり……。このように、傍若無人な態度が多かった。挙句の果てに、孝懿(ヒョイ)王后を毒殺しようとした罪に問われて投獄された。

本来なら処刑されるのが必然であったのだが、イ・サンの恩情によって死を免れた。結局、地方への流罪となり、罪人として寂しく都を離れていった。

史実によると、洪国栄が全ての官職を罷免されて流刑地に送られたのは1779年9月であった。以後の洪国栄は酒に溺れたと伝えられている。結局、屈辱の中で体調を崩してしまい、1781年4月に亡くなった。

『イ・サン』ではハン・サンジンが洪国栄を演じた

権力に溺れた男

彼は1748年生まれで、イ・サンより4歳年上なのだが、亡くなったときは33歳であった。あまりに若すぎると言わざるをえない。ドラマではイ・サンが洪国栄を見取り、最愛の側近に優しい言葉をかけていた。また、パク・テス(イ・ジョンス)も最後までそばで見守ってくれていた。

それは、罪人としては恵まれた臨終であり、洪国栄の名誉がしっかり守られる終わり方だった。扮したハン・サンジンも堂々と洪国栄の最期を立派に演じきっていた。

しかし、現実的にはイ・サンが王宮を離れて遠くにいる洪国栄を見舞うことができるはずもなく、洪国栄は寂しく死んでいった。それは、権力に溺れた男の悲惨な最期であったと言える。

文=大地 康

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