テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『イ・サン』。7月21日にオンエアされた第48話では、イ・ソジンが演じるイ・サンが即位後にいよいよ政治改革を断行していく様子が描かれていた。
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その姿を頼もしく見ていたのが、キョン・ミリが演じた恵慶宮(ヘギョングン)であった。彼女はイ・サンが即位する前は恵嬪(ヘビン)と称されていたが、国王になったイ・サンは真っ先に母の地位を恵慶宮に格上げしたのだ。そんな息子の英断を母は本当に感慨深く受け入れた。
思えば、恵慶宮は結婚してから苦労の連続であった。夫の思悼世子(サドセジャ)は頭脳明晰で天才肌の政治センスを持っていたが、酒癖が悪くて側室を殺すこともあった。さらには、日常的に家臣に暴力を振るったりしていた。それでも、恵慶宮は夫のために精一杯に尽くした。
しかし、思悼世子は老論派の陰謀によって父親の英祖(ヨンジョ)と確執が生まれ、結局は英祖の命令で米びつに閉じ込められて餓死してしまった。この悲劇は恵慶宮の人生を大きく変えた。
本来なら、彼女は思悼世子が即位した時に王妃になれる身分であった。しかし、思悼世子が亡くなった後、恵慶宮は一転して罪人の未亡人となった。それでも彼女には希望があった。息子が世孫(セソン)として英祖の公式的な後継ぎになったからだ。
しかしながら、老論派はイ・サンを徹底的に攻撃してその即位を阻もうとした。その現実を間の当たりにしてきた恵慶宮は本当に心配でならなかった。そんな苦労に耐えた結果、思悼世子が亡くなってから14年後に息子のイ・サンが国王となったのだ。母親としてこれ以上の喜びはなかった。
ただし、恵慶宮が幸せの絶頂にいたとしても決して安心はできなかった。イ・サンの前には相変わらず老論派の高官たちが立ちはだかっていたし、イ・サンはまだ自分の息子を持てずにいた。つまり、国王になっても世子がいなかったのである。これは恵慶宮として本当に心配であった。
そのような恵慶宮の心情はドラマ『イ・サン』の中でもたっぷりと描かれている。後半を迎えたイ・サンでは恵慶宮の動向からも目が離せない。
文=大地 康
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