時代劇『イ・サン』では、イ・ソジンが演じる主人公の世孫(セソン)と、キョン・ミリが扮している恵嬪(ヘビン/歴史的には恵慶宮〔ヘギョングン〕と言われる)が母子になっている。本当にドラマを大いに盛り上げている2人だ。しかし、悲しい出来事があった。思悼世子(サドセジャ)が米びつに閉じ込められて餓死した事件が強烈なトラウマになっているのだ。
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何よりも、妻の恵嬪はそのことで「王妃になりそこなった未亡人」になっているし、世孫は最愛の父をむごい形で失ってしまった。このように大切な人を死なせてしまった母と子は、お互いを気遣いながら敵が多い王宮の中で必死に暮らしていた。
恵嬪に扮したキョン・ミリは前作の『宮廷女官 チャングムの誓い』では強烈な悪女を演じていたが、『イ・サン』では慈悲深い母親としてガラリと変わった役をこなした。演じる幅が広い女優だ。
一方の世孫は老論派の策略をたくさん受けて何度も窮地に陥るのだが、その度に巧みな判断力で切り抜けている。とはいえ薄氷を踏むような心境であることは間違いない。そんな場面でもイ・ソジンが思慮深い演技を見せている。
本当に、キョン・ミリとイ・ソジンが演じる母子の情愛は印象深い。
主人公イ・サンを演じるイ・ソジンは、『イ・サン』の後にも『トラップ~最も残酷な愛~』で国民的アナウンサーのカン・ウヒョン、『TIMES~未来からのSOS~』でタイムズ代表記者イ・ジヌ、『エージェントなお仕事』でメソッドエンタ総括理事マ・テオを演じている。
一方のキョン・ミリは、『イ・サン』の後に『屋根部屋のプリンス』で朝鮮時代のプヨン(ハン・ジミン扮)とファヨン(チョン・ユミ扮)の母親として登場し、『ホジュン~伝説の心医~』ではク・イルソ(パク・チョルミン扮)の妻ハマンを演じている。
まるで本当に親子のように『イ・サン』で息のあった演技を見せるイ・ソジンとキョン・ミリ。劇中で2人の演技は本当に魅力的だ。
文=大地 康
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