テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『イ・サン』。序盤は子役たちの出番となって、10歳のイ・サンを子役のパク・チビンが演じていた。とても達者な演技でドラマの序盤を大いに盛り上げていた。そして、第4話の最後になって大人になったイ・サンが登場し、イ・ソジンが立派に演じていた。
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このドラマが歴史に残る傑作になった理由の一つは、何と言ってもイ・ソジンの演技力が卓越していたことだ。彼は苦難の末に名君に成長していくイ・サンを真摯に演じ切っていた。本当に国王イ・サンのイメージを最大限に見せてくれたのがイ・ソジンの功績だと言えるだろう。
私(康熙奉)が韓流ムックの編集長をしている時にイ・ソジンにインタビューして人間イ・サンの魅力を語ってもらったことがある。その時に彼は次のように分析していた。
「今の時代は、正しいリーダーに対する人々の願いが大きいようです。朝鮮王朝時代の国王の中でも、寛大な品性で歴史を築いたイ・サンの一代記は、今の時代が願うリーダーの本当の姿だったと思います。そういう偉大な人物を正しく描いたことがドラマの人気を高める理由になったのでしょう」
実際、イ・ソジンがイ・サンを演じて一番感じたことは何だったのだろうか。
「やはりイ・サンの人間性ですね。国王としての役割を立派にこなすだけでなく、幼馴染との友情、臣下との信頼、愛する女性との関係、そして、家族との絆、周辺人物との人間関係などを大切にしていました」
イ・ソジンは、『イ・サン』が描いたソン・ソンヨン(ハン・ジミン)との愛についても語っている。
「伝統的な時代劇が見せてくれる固くて通俗的な恋愛ではなく、現代劇で見られるような胸がドキドキするロマンチックな恋愛を表現していました」
イ・ソジンが指摘するように、『イ・サン』は歴史的な事実をたくさん取り扱いながら、現代人の心を感動させるエピソードがとても多かった。そういう意味で、現代にこそ意味がある歴史ドラマであったと言える。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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