『イ・サン』においてイ・ソジンが演じた世孫(セソン)を支えた1人が、内侍府(ネシブ)の内官(ネグァン)だったナム・サチョ(メン・サンフン)である。
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内侍府というのは、秘書役として王族の世話をしたりする役所だ。さらに、王族の命令を各部署に伝えて、王宮の護衛まで引き受けていた。それだけに、仕事の量が多くとても忙しい組織であった。
こうした内侍府の内官は宦官(かんがん/去勢された男子の官僚)が務めていた。よく見てといると、王宮の男性たちはみんな立派な髭を生やしているのに、王族に寄り添っている男性の中で髭を生やしていない人もいる。彼らが内侍府の内官だ。去勢されているので髭が生えないのである。それだけに、よく目立っている。
実際、ナム・サチョも髭を生やしていない。彼は武芸も達者なのだが、武骨な感じはまったくない。それは、演じるメン・サンフンが柔らかい感性で演じているからだ。本当に好ましいキャラクターであり、世孫の強い味方だった。
そんなメン・サンフンは、『イ・サン』の後にも名作時代劇ですばらしい演技を披露している。
その作品の1つが『トンイ』である。
本作は、チ・ジニが演じた朝鮮王朝第19代王・粛宗(スクチョン)の時代を舞台した時代劇で、トンイこと淑嬪・崔氏(スクビン・チェシ)役のハン・ヒョジュや張嬉嬪(チャン・ヒビン)役のイ・ソヨンが出演している。
この作品で、メン・サンフンはクムを秘かに教育する個人教授の師キム・グソン役で登場していた。
ちなみに、クムとはトンイの息子で後に朝鮮王朝第21代王・英祖(ヨンジョ)となる延礽君(ヨニングン)のことである。
その後も、『インス大妃』では大殿内官キム・チョソン役を務め、『馬医』ではチョ・スンウ扮するペク・クァンヒョンの文字の先生オ・ジャンパク役で出演していた。
さらに、『オクニョ 運命の女(ひと)』にも出演していて、パク・チュミ扮するチョン・ナンジョンの兄であるチョン・マッケ役で登場していた。
『イ・サン』の他にも多くの名作時代劇で演技を披露しているメン・サンフン。今後も彼の活躍に期待したい。
文=大地 康
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