イ・ビョンフン監督がドラマ『イ・サン』の前に製作した『宮廷女官 チャングムの誓い』では、キョン・ミリが強烈な悪女を演じていた。イ・ヨンエが演じる主人公チャングムに対してことごとく悪事を働いて強烈な印象を残したのだ。
【関連】【イ・サンの母の苦悩】彼女はなぜ夫に冷酷にふるまい実家だけを守ったのか
そんなキョン・ミリは『イ・サン』においては子供思いの母親を演じた。イ・ソジンが演じるイ・サンは世孫(セソン)として次の国王になる立場なのだが、王宮の中にあまりに敵が多く常に命を狙われていた。そのことを一番案じていたのがキョン・ミリの演じる母親の恵嬪(ヘビン)であった。
恵嬪の夫は思悼世子（サドセジャ）である。彼は父親の英祖(ヨンジョ)の命令によって米びつに閉じ込められて餓死した。そんな無惨な死を遂げた思悼世子の妻であった恵嬪は息子であるイ・サンのことを本当に気にかけていた。実際、夫に次いで息子までも失うわけにはいかなかったのだ。
それなのに、恵嬪の叔父の洪麟漢（ホン・イナン）はイ・サンの即位を阻止する立場だった。要するに、恵嬪は身内にも敵を持っていたのだ。それでも必死に彼女は息子を守ろうとした。その愛情は本当に限りなかった。
そんな恵嬪をキョン・ミリは強い意志で演じて、『宮廷女官 チャングムの誓い』のときの悪役とは一変するキャラを真摯に表現した。
『イ・サン』や『宮廷女官 チャングムの誓い』の他にも『朱蒙』や『ホジュン～伝説の心医～』といった時代劇で活躍しているキョン・ミリは、多くの現代劇に出演してすばらしい演技を披露している。
その中でも特に注目すべきは、『ひと夏の奇跡～WAITING FOR YOU』と『コンビニのセッピョル』だろう。
『ひと夏の奇跡～WAITING FOR YOU』は、ヨ・ジングが高校3年のときに事故になって亡くなったと思われていたが、その12年後に19歳の姿のままで現れたソン・ヘソンを演じている作品だ。
共演者には、ヘソンの初恋の相手チョン・ジョンウォン役のイ・ヨニ、SNTレストランオーナーシェフのチャ・ミンジュン役のアン・ジェヒョンなどがいる。
このドラマで、キョン・ミリは胸部外科医ソン・ヨンジュン（ユン・ソヌ扮）の婚約者イ・ソウォン（ハン・ソヒ扮）の母親で、ヨンジュンの病院の院長をしているソン・ミョンオクを演じている。
『コンビニのセッピョル』は、チ・チャンウクがGSリテール傘下のコンビニ店長チェ・デヒョン、キム・ユジョンがデヒョンのコンビニのアルバイトのチョン・セッピョル、ハン・ソナがデヒョンの恋人でGSリテール広報チーム長ユ・ヨンジュを演じているドラマだ。
この作品で、キョン・ミリはヨンジュの母親のキム・ヘジャ役を務めている。
女優として多くのドラマで魅力的な演技を披露してきたキョン・ミリ。彼女の演技は本当に見る人を魅了するほどすばらしかった。
文＝大地 康
■【関連】【本当は怖い⁉】名君イ・サンのゾッとするような「裏の顔」とは?
前へ
次へ
