とてつもなく注目の俳優だ。なにしろ、チャン・ギヨンの主演作『九尾の狐とキケンな同居』と『今、別れの途中です』は、Netflixで配信されるとすぐにランキングの上位に入ってきて人気を集めている。
モデル出身だけに長身でスタイルが抜群。しかも、キレのある精悍な風貌で、ドラマの主役としても申し分がない。そんな彼の出世作となったのが2018年に制作された『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』であった。
このドラマはイ・ソンギュン(パク・ドンフン役)とIU(イ・ジアン役)の素晴らしい演技が絶賛されたが、悪役ではありながらゾクゾクするような存在感を見せていたのが25歳のチャン・ギヨンだ。
彼が演じたのは、ヒロインのIUが扮するイ・ジアンを執拗につけまわす借金取りのイ・グァンイルであった。
彼は子供の頃からジアンをよく知っていた。しかし、ジアンが親の借金を背負うことになってしまい、しつこく付け回すのがイ・グァンイルであった。ドラマの前半では、イ・グァンイルがジアンに激しい暴力を振るう場面があり、韓国でも物議をかもしている。どん底の生活を味わっているジアンをさらに追い詰めるイ・グァンイルは、物語を見ていて本当に迷惑な悪役であった。
しかし、ドラマの中盤からはイ・グァンイルの悲しみがクローズアップされる場面があった。それは、ジアンがドンフンと仲睦まじくビールを飲んでいるところをイ・グァンイルが窓の外から物悲しげに見ているシーンだった。まさに、彼がジアンを愛していることを証明していた。
とはいえ、闇金融の仕事をしている中でイ・グァンイルは素直にジアンに愛の気持ちを伝えることはできなかった。それゆえ、せめて彼は借金取りを名目にジアンに近づいていたのだ。そこが彼の辛さであった。
善人が多く登場する『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』においてイ・グァンイルは本当に異質なアウトローであった。そんな男を鋭く突きさすような目で演じ続けたチャン・ギヨン。
多くのドラマ関係者の目に留まり、今の主役ラッシュのきっかけをつかんだ。まさに、チャン・ギヨンにとって『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』は俳優としての夢を実現させてくれる作品となった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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