【『哲仁王后』の大物2人が強烈】「姑と嫁」として対立する長老女性の争いはどこまで続く?

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最近の韓国時代劇の中では爆笑レベルの面白さがあった『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』。このドラマは、現代韓国の大統領官邸のシェフが朝鮮王朝時代にタイムスリップして哲仁(チョリン)王后の体に乗り移ってしまうというストーリーであったが、男性の精神が入り込んだ王妃をシン・ヘソンが巧みな演技力で大いに魅せてくれた。

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そうした主役とは別格の扱いでドラマを盛り上げてくれたのが、大王大妃(テワンテビ)と大妃(テビ)の強烈な心理戦であった。

ペ・ジョンオクが演じた大王大妃は、歴史的には純元(スヌォン)王后のことであり、19世紀中頃の朝鮮王朝において絶大な権力を握っていた安東(アンドン)・金(キム)氏の総責任者であった。

彼女は自分たちの一族の勢力を維持するために、哲宗(チョルジョン/キム・ジョンヒョンが演じた)を国王に据えて、彼を操り人形にして裏で政治を支配していた。

一方、純元(スヌォン)王后の息子の嫁にあたるのがチョ・ヨニの演じた大妃であり、彼女の夫は孝明(ヒョミョン)世子だった。しかし、1830年に21歳で急死してしまった。それで大妃は王妃になることができなかったが、息子が憲宗(ホンジョン)として即位したので彼女も国王の母(大妃)になることができた。

ペ・ジョンオクが扮する大王大妃(写真左)とチョ・ヨニが演じる大妃(写真=© STUDIO DRAGON CORPORATION)

大王大妃と大妃の主導権争い

なお、『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』が描く時代は1851年頃なのだが、当時、王族女性の最長老として大王大妃と大妃の二大大物が主導権を激しく争っていた。その中で、大妃の出身一族は豊壌(プンヤン)・趙(チョ)氏であり、安東・金氏とはライバル関係にあった。

こうして大王大妃と大妃は「姑と嫁の対立」を背景にして出身一族の代理戦争の矢面にも立っていた。いわば、二重の対立構造を持っていたのだ。

『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』は、多様な登場人物が登場して面白いドラマに仕上がっていたが、サイドストーリーとして大王大妃と大妃の対立に注目して見ると、さらに面白さが倍増する。そのあたりを大いに注目してみよう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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