大好評のうちに終わった『シュルプ』は、凄まじく迫力満点の時代劇だった。ファリョン王妃を演じたキム・ヘスはさすがの貫禄で、眉毛を吊り上げながら激しい感情を表現していた。まさに、主役として『シュルプ』を強烈に牽引していた。
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とはいえ、同じようにドラマを盛り上げた立役者がいる。それは、若きムン・サンミンであった。
彼が演じたソンナム大君(デグン)は、母親のファリョン王妃とよく似た性格だった。感情の起伏が大きい人物であり、自分が願ったことを何が何でもやり抜く行動力を持っていた。
もともと、彼は兄の世子(セジャ)を心から慕っていた。自分が苦しいときに手をさしのべてくれたのが兄であり、一番信頼していた人だった。
その兄の病状が悪化したとき、助けたい一心で薬剤を必死に手に入れた。結果的に兄は助からなかったのだが、そのことに責任を感じたソンナム大君は、ピンチに陥った母親と弟たちのために別人のようになっていった。国王である父親に直訴したり、側室から生まれた異母兄弟たちと熾烈な競争で奮闘したり……すべては兄に代わって母親と弟たちを守るためであった。
そう決意したあとのソンナム大君は本当に頼もしい存在になった。それに応じて、演じたムン・サンミンも端整なルックスを生かして常に精悍な表情を見せていた。しかも、繊細な表情の違いも巧みに演じ分けていたのだ。
彼は、まるでデビュー当時のイム・シワンを彷彿(ほうふつ)させる俳優だ。感性が細やかで、それでいて強い表現力もできる。
2000年生まれの22歳。この若さで一気にニュースターの注目株になってきた。
今後は20代後半のトップクラスの男優が兵役にどんどん入っていくことが予想される。ファンが寂しい思いをすることが多くなるかもしれないが、そんな中でムン・サンミンは主役級の男優として大いに成長していくことだろう。
『シュルプ』から誕生した新星……ムン・サンミン。頼もしい大君を凛々しく演じた彼の今後が本当に楽しみだ。
文=大地 康
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