これまでの韓ドラというと、やっぱり「復讐」が重要な題材になっていた。徹底的に裏切られた人がその悔しさを晴らしていく場面に、視聴者もたまらない快感を得てきたのである。そんな「復讐」がストーリーに織り込まれる度数がとても高いドラマを「究極ランキング」で選んでみた。
【写真】『キム秘書』の経験は『梨泰院クラス』のパク・ソジュンにどんな効果を生んだか
●復讐度数3位/『梨泰院クラス』
(2020年/JTBC/全16話)
出演者(役名)
パク・ソジュン(パク・セロイ)/キム・ダミ(チョ・イソ)/クォン・ナラ(オ・スア)/ユ・ジェミョン(チャン・デヒ)
日本でも大人気となった『梨泰院クラス』は、本来は復讐ドラマであった。パク・ソジュンが演じた主人公パク・セロイは、高校時代にひどい目にあった。高校を中退せざるをえなかったし、父親まで殺された。それもすべて、外食産業の大手チャンガ・グループの会長とその息子のせいだった。
この2人への復讐心をバネにしてパク・セロイは壮大な野望を果たしていく。その過程こそが『梨泰院クラス』の真骨頂だった。
●復讐度数2位/『D.P.―脱走兵追跡官―』
(2021年/Netflix/全6話)
出演者(役名)/チョン・ヘイン(アン・ジュノ)/ク・ギョファン(ハン・ホヨル)/キム・ソンギュン(パク・ボムグ)/ソン・ソック(イム・ジソプ)/シン・スンホ(ファン・ジャンス)
チョン・ヘインが扮するアン・ジュノは正義感が強い青年。彼は兵役で入隊すると先輩兵士による壮絶なイジメを目撃する。これが物語の大きな伏線だ。アン・ジュノは憲兵隊に配属されて脱走した兵士を逮捕する任務に就くが、ドラマ後半ではイジメを強烈に受けた脱走兵が憎き相手に徹底的に仕返しする姿が描かれていく。
それは、目をそむけたくなるほど悲惨な場面であり、人間の復讐心の根深さを思い知らされる。それにしても、後輩兵士たちをいじめてばかりいるファン・ジャンス兵長は本当に憎たらしかった。
●復讐度数1位/『復讐の花束をあなたに』
(2020~2021年/KBS/全105話)
出演者(役名)/カン・ウンタク(イ・テプン=ユ・ミニョク)/オム・ヒョンギョン(ハン・ユジョン)/イ・チェヨン(ハン・ユラ)/イ・シガン(チャ・ソジュン)
強烈な愛憎劇が「これでもか!」と執拗に展開するドラマだ。物語の中心にいたのが恐ろしき悪女のハン・ユラ。貧しい生活から抜け出すために、彼女はあらゆる「嘘と悪事」に染まっていく。被害を受けた人たちが復讐に乗り出すと、さらにユラが上を行く悪事を繰り出していく。その攻防に見応えがあった。
それにしても、刻々と変化するユラの表情が不気味だった。復讐劇の標的として「これ以上はない適役」と大評判になったのもナットクだ。まさに、『復讐の花束をあなたに』は復讐劇が好きな人が絶賛する会心作!
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
■【写真】『梨泰院クラス』とパク・ソジュンが作り上げたヒーロー像とは?
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