韓国tvNで『キム秘書はいったい、なぜ?』が放送されたのは2018年6月6日から7月26日のことだった。全16話である。このドラマでパク・ソジュンは仕事も完ぺきで極端なナルシストの財閥企業副会長のヨンジュンを演じた。
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この役は、パク・ソジュンにとって戸惑いばかりが大きかった。自分とあまりに違うキャラクターだったからだ。
パク・ソジュンはこう語っていた。
「演じた役があまりにキザだったので、撮影が始まってから、耐えるのが辛いなあと思っていました。なにしろ、ヨンジュンはあまりに自己愛が強すぎて、自分とは正反対の人間でしたから」
そこで、パク・ソジュンはどうしたのか。
演じる役を「ひたすら愛していこう」と思ったのである。そこまで考えて演じるのは初めてのことだった。
「不思議なことに、役のキャラクターをそのまま愛することができました。実際、ドラマを通して自分が変わったみたいです」
不得意なタイプの主人公を演じたことで、パク・ソジュンも俳優として強い影響を受けることになった。結局、演技の多様性を広げることができるようになった。
そういう意味で、『キム秘書はいったい、なぜ?』はパク・ソジュンに本当に大きな効果をもたらした。
それから1年ほどして、パク・ソジュンは主演を決めた『梨泰院クラス』の準備に取り掛かった(放送は2020年1月31日からだった)。
このドラマで演じる主人公パク・セロイは、『キム秘書はいったい、なぜ?』で扮したヨンジュンとは180度違う人物だった。
パク・セロイは自分と父親を陥れた巨大外食産業の会長に復讐を果たさなければならないし、仲間と一緒に梨泰院でトップの店を築きたいという野望も持っていた。
これほどの信念を果たすために、パク・セロイは「強い意志と諦めない粘り強さ」を身に付けなければならない。本当に『キム秘書はいったい、なぜ?』とは役柄がガラリと変わる。しかし、パク・ソジュンは難しく考えすぎないようにした。
そして、「あれだけ苦手だったヨンジュンというタイプにも順応できた」と思い直し、パク・セロイにもかならず適応できると自信を持つことができた。
パク・ソジュンはこうも言っている。
「以前は演技で失敗すると落ち込みましたが、今は『そういうこともあるのかな』と思えるようになりました」
大事なことは、重圧に負けて萎縮するのではなく、自分のいいところを見つけて長所を伸ばすことだ。
そういう境地に達してから、パク・ソジュンは『梨泰院クラス』の撮影でパク・セロイに果敢に取り組んだ。『キム秘書はいったい、なぜ?』の経験は『梨泰院クラス』に本当によく生きていて、彼は思い通りにパク・セロイを演じることができた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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