ラブコメ、医療ドラマ、警察ドラマ、ヒューマン……と韓国ドラマには様々なジャンルがある。不思議なことに、年によって特定のジャンルの当たり年があるが、時代劇に限定すると、まさに2019年に話題作が本当に多かった。そういう意味で、「2019年は時代劇の大豊作」と高らかに宣言することができそうだ。
実際に、作品を見てみよう。
「時代劇クイーン」と称されるチン・セヨンが主演した『カンテク~運命の愛~』、ユン・シユンが主演した『緑豆の花』、チャ・ウヌが時代劇ロマンスの主役に躍り出た『新米史官 ク・ヘリョン』、朝鮮王朝の建国を劇的に描いた『私の国』……。
こうしたドラマが2019年に作られて脚光を浴びたが、中でも傑作と称される三大時代劇がある。それを順に紹介していこう。
まずは『ヘチ 王座への道』だ。
チョン・イルが若き日の英祖(ヨンジョ)を演じたが、ドキュメンタリーのようにストーリー展開のテンポが良く、歴史エピソードを面白く再現していた。しかも、低い身分から国王に上り詰めていく英祖の苦悩と栄光をチョン・イルが多様性のある演技で巧みに表現していて、時代劇の醍醐味を存分に見せてくれる。
次は『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』である。
主役のチャン・ドンユンが女装して男子禁制の村に潜り込むという設定から序盤が始まった。しかし、後半はシリアスな物語になっていき、一つのドラマにラブコメと歴史実録という二つの持ち味が揃っていた。また、ヒロインを演じたキム・ソヒョンも国王への復讐を果たすために男勝りの活躍を見せており、本当に痛快な時代劇だった。
最後は『王になった男』である。
国王と道化師の1人2役を果敢に演じたヨ・ジングの演技力が凄かった。また、王妃を演じたイ・セヨンの哀しみを乗り越えていく存在感もすばらしかった。多くの人が最大級の称賛を惜しまなかったのも当然かもしれない。
以上の三つのドラマは「時代劇が大豊作だった2019年の中でも特別な傑作だった」と後にかならず称賛される最強のベスト3だ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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