朝鮮王朝の名君を挙げれば、ハングルを作った4代王・世宗(セジョン)と人格に優れていた22代王・正祖(チョンジョ)が双璧だ。
特に正祖の人生は「イ・サン」という名前でドラマや映画で何度も取り上げられている。その中で「やっぱりこの人!」と呼べる俳優を選べば、おのずと顔ぶれは決まってくる。
最初に取り上げたいのは、イ・ビョンフン監督が演出した傑作ドラマ『イ・サン』で主人公を演じたイ・ソジンだ。
彼は、名君すぎて恐れ多い存在だったイ・サンを人間味あふれる人物像にしてくれた。そういう意味で、イ・サンへの親近感を高めた功労者だ。
実際、イ・ソジンが演じたイ・サンは数々の苦難を乗り越えて成長していく「信念の国王」であった。正義を貫き、法を守り、しかも、人間としての良心を忘れなかった。イ・ソジンの卓越した演技力によって、イ・サンはイメージの上で正真正銘の名君になったと言える。
次はヒョンビン。
彼は映画『王の涙-イ・サンの決断-』で逞しいイ・サンを演じた。
なにしろ、『王の涙-イ・サンの決断-』ではイ・サンの強い精神力が強調されていて、彼は暗殺の危機を自らはねのける逞しさを持っていた。特に、暗殺団と対峙するとき、弓をひく瞬間に見せたヒョンビンの筋骨隆々の肉体美は驚嘆するほどであった。
そういう意味で、ヒョンビンが演じたイ・サンは「強すぎる肉体と精神を持った国王」であり、真のヒーローであった。
3人目は2PMのジュノ。
最新ドラマ『赤い袖先』(原題)でイ・サンを演じた彼は、名君のイメージを斬新に塗り替えた。特に、イ・セヨンが扮した宮女ソン・ドクイムとの禁断のラブロマンスは、時代が変わっても愛し合う男女の抒情性が不変であることを示してくれた。
しかも、繊細な感性をジュノは多様に表現していて、『赤い袖先』は世代を超えた普遍性を持っていた。それゆえ、『赤い袖先』は「2021年のすべてのドラマの中で一番の衝撃」と言っても過言ではなかった。それほど影響が大きかったのだ。
イ・ソジン、ヒョンビン、ジュノ……彼らは自分の持ち味を発揮して最高に素敵なイ・サンを表現してくれた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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