大ヒット『イ・サン』主演イ・ソジンが語った韓流時代劇の魅力

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韓流時代劇の魅力は、演じる役者たちの確かな演技力にある。リアルで感情が込められたその演技力に魅了されたファンも多いだろう。

そんな名優たちは韓流時代劇をどのように考えているのだろうか。韓流時代劇の名優たちの過去のインタビューを通じて、韓流時代劇の魅力を考察する。

第4回目は日本でもNHK総合テレビなどで放映され大ヒットした『イ・サン』主演のイ・ソジンだ。

最初は丁寧に断った『イ・サン』の出演依頼

端正なルックスの確かな演技力で人気のイ・ソジン。韓ドラ時代劇『イ・サン』で主人公チョンジョ(正祖)を演じた彼はこう語っている。

「時代劇は『チェオクの剣』でも経験していましたが、『イ・サン』は実際にあった史実を土台に実在の人物を演じたわけですから、それまで演じてきた作品とはまったく違っていましたね。

僕が主人公にキャスティングされたのは、イ・ビョンフン監督から出演依頼があったからなのですが、最初は断ったんです。それでも何度もオファーを受けていたので、台本を読みながら考えました。それから少しずつイ・サンという人物に関心を持つようになり、最終的には出演を決めたんです」

イ・サンを演じるにあたって、イ・ソンジンがもっとも意識したのは、“人間らしさ”だった。

「イ・サンは素晴らしい業績を築き上げた人物ですが、そんな偉大な人物でも人の子であるというに変わりはないと思うんです。

イ・サンも、この世を生きながら、いろんな悩みを抱えていたに違いない。だからこそ、人間臭い部分をたくさん表現することを意識して演技しました。“王の性格はこうだったのではないか”とか、自分なりに解釈していましたよ」

偉人である前に人の子であるということを意識して役作り。それはイ・ソジンの時代劇演技論がベースになっている。

「実際のところ、時代劇も現代ドラマも、演じるということに関しては大きな違いはないと思うんです。

もちろん、時代劇の場合は着る衣装が現代劇とは異なりますし、最初は時代劇の独特のセリフの言い回しが難しかったのですが、慣れてくると大きな問題は感じませんでしたし、何よりも “人の感情”に変わりはないということに気づきました。いつの時代も通ずる“感情”というものがあると、僕は思っています」

役者として、常にその“変わらぬ感情”を表現することを意識したというイ・ソジン。

では、彼が考える“時代劇の魅力”とは何か―。

イ・ソジン(写真=LEE WANBOK)

「時代劇の魅力は、史実に基づいた物語だということに尽きると思います。ドラマを見た人はそれが本当にあった出来事であることを知ることができます。

なのでストーリーが進めやすく、勉強にもなるし、説得力もある。これこそが時代劇の長所なのではないでしょうか」

過去の出来事ゆえにタイムスリップしたようで、ともすれば非現実的に映る時代劇だが、史実に基づいているからこそ、「単なる娯楽を越えた教養や発見が時代劇にはある」と語ったイ・ソジン。イ・サンがそうだったように、彼の時代劇論もまた知的で本質を見事に突いていた。

◇イ・ソジン プロフィール
1973年1月30日生まれ。99年にドラマ『ワンチョ』でデビューし、『チェオクの剣』(03年)で一躍、人気スターに。07年に『イ・サン』の主役に抜てきされ、同年のMBC演技大賞で最優秀演技賞を受賞した。

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