韓国時代劇で興味深い宮廷劇を描く本『王妃たちの運命』が面白い!

2021年11月06日 話題 #写真
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「韓ドラ時代劇.com」で朝鮮王朝や韓国時代劇の記事を定期的に掲載している康熙奉(カン・ヒボン)氏の新刊が発行された。それが『新版 知れば知るほど面白い 朝鮮王宮 王妃たちの運命』(実業之日本社)である。

もともと、韓国時代劇は朝鮮王朝を舞台にしたドラマが多いが、タイプで見ると二通りがある。一つは国王を中心に権力闘争を題材にするものであり、もう一つは王妃や側室・女官をメインにドロドロした愛憎を描くものだ。そして、これまで朝鮮王朝ドラマは後者の宮廷劇が高い人気を博してきた。

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そうした宮廷劇に出てくる登場人物を史実の面で詳しく解説しているのが、新刊の『新版 知れば知るほど面白い 朝鮮王宮 王妃たちの運命』である。

この本でラインナップされているのは、時代劇でおなじみの実在人物たちだ。たとえば、『宮廷女官 チャングムの誓い』の長今(チャングム)、『トンイ』の張禧嬪(チャン・ヒビン)や淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)、『オクニョ 運命の女(ひと)』の文定(ムンジョン)王后などである。

『新版 知れば知るほど面白い 朝鮮王宮 王妃たちの運命』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著/実業之日本社)

簡潔な通史も興味深い

さらに、『イ・サン』『不滅の恋人』『王になった男』で重要な役を演じた大妃(テビ/国王の母)たちもたくさん登場する。こうした人物が果たして、ドラマと史実でどう違うのかを新刊ではわかりやすく解説している。

加えて、「朝鮮王朝三大悪女」に代表される悪女・妖女・怪女のように、王宮で暗躍した女性たちも数多く掲載されており、韓国時代劇で人気を得たキャラクターの素顔が生々しく描かれている。

また、「王妃から見た朝鮮王朝の歴史」という簡潔な通史も興味深い。男たちが繰り広げた権力闘争とは違う歴史が展開されていて、韓国時代劇で取り上げている数々の事件の流れをつかむのにとてもいい。

この本を読むと、朝鮮王朝の歴史がいかに強烈な女性たちによって作られてきたかがわかる。それゆえ、この本によって韓国時代劇の面白さが一層増してくる。

〔著者略歴〕
康 熙奉(カン・ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化や日韓関係を描いた著作が多い。主な著書は『悪女たちの朝鮮王朝』『韓流スターと兵役』『韓国ドラマ&K-POPがもっと楽しくなる!かんたん韓国語読本』『新版 知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物』など。最新刊は11月5日発売の『新版 知れば知るほど面白い 朝鮮王宮 王妃たちの運命』と『新版 知れば知るほど面白い 古代韓国の歴史と英雄』の二冊である。

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