『花郎(ファラン) 希望の勇者たち』は全20話のドラマだが、終盤になると、花郎という組織をめぐる主導権争いが激化していく。
その渦中で、花郎を裏で操ろうとする只召(チソ)太后の暗躍ぶりが際立ってくる。この只召太后をキム・ジスが演じているが、彼女は貫禄がある演技を見せて各場面で緊張感をもたらしている。
そんな只召太后の不穏な動きによって、パク・ソジュンが扮するソヌも、パク・ヒョンシクが演じるジディも大きな影響を受けていくのだが、もう1人、重要な登場人物が果敢に只召太后に挑んでいこうとする。それが、Araが演じるアロである。
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アロは、ソヌとジディの両人から求愛されるヒロインだ。
彼女の本心はソヌに傾いているのだが、あきらめきれないジディはそれまでの弱気な自分を捨て去って生まれ変わろうとする。その証として、ジディは政敵の寝室に忍び込んで刃を向けながら「自分が王である」ことを明確に宣言していくのだ。
こうして、それまでの秩序は崩れ去り、『花郎』は新たな展開を迎える。こうした契機を作ったアロという女性は、間違いなく、クライマックスに向けて『花郎』の重要なキーパーソンだ。
そんなアロに扮するAraは、『花郎』が制作された当時(2016年)の名前表記であって、彼女がその後に『ヘチ 王座への道』に出演したときにはコ・アラと呼ばれていた。
以後はコ・アラという名が定着しているが、『花郎』を語るときはAraとなるので、そのことを理解していただきたい。
Araは、ソヌとジディの間に入って苦しみが深くなる。このとき、Araの演技は哀愁たっぷりで、憂いがある表情が本当に切ない。そうした場面を何度も見ていると、Araの勘の良さがよくわかり、愛に悩むヒロインとしての存在感に納得ができる。
そして、今後の展開として気になるのは、只召太后の干渉を排してアロはどのように究極の選択をしていくか、ということだ。
まさに、ドキドキするような気持ちだ。アロの繊細な表情からドラマの終盤が確実に見えてくる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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