ドラマ『王になった男』は、2013年に日本でも公開されたイ・ビョンホン主演の映画『王になった男』をドラマ化した作品だ。
ドラマでは、映画のストーリーを面白く生かしているが、映画版では描かれなかった王妃とのラブロマンスがたっぷりと加わっている。そのあたりに注目しながら、ドラマの序盤のストーリーを紹介しよう。
ヨ・ジングが演じる国王のイ・ホンは、王位を争うライバルでもあった弟を殺して自分の王位を安定させていた。
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しかし、精神的に追い詰められている状況は変わりがなく、気持ちが乱れることが多かった。そのことを側近のイ・ギュ(キム・サンギョンが演じている)はとても心配していた。それなのに、イ・ホンの精神状態は悪くなるばかりだった。
そんなある日、イ・ギュは町でイ・ホンにそっくりな男を見かける。その相手は道化師のハソンだった。まさにハソンはイ・ホンと瓜二つだった。イ・ギュは、ハソンを王宮につれてくる。万が一のために王の影武者をさせるためだった。
ハソンは逃げ出してしまうのだが、彼は庶民が苦しみにあえいでいる現実を直視し、政治を司る高官たちの横暴も目にして、世の中を変えたいと思って王の身代わりになることを決意する。
ちょうど、イ・ホンがもう政務を行なえないほど錯乱していたので隔離してしまい、イ・ギュはかねてから考えていた計画を実行に移して、ハソンを本物の王位の座に就かせた。
ハソンが王の身代わりになってから大きく変わったことが2つある。まずは、イ・セヨンが演じる王妃との関係だ。かつての王は冷酷だったので、王妃はずっと心を閉ざしていた。
しかし、ハソンは国王になって王妃に優しく接し、彼女の心を温かい気持ちで包んだ。さらに、陰謀に陥れられた王妃の父親の命も救ってあげた。こうして王妃は、王に対して心を徐々に開いていく。
もう1つは高官との関係だ。賄賂にまみれた高官たちは庶民を苦しめるような政治を行なっていたのだが、ハソンが王座に就くようになってからは、イ・ギュの支持を仰ぎながら庶民のための政治を実行していった。
こうしてハソンは、朝鮮王朝の人々の幸せのために今までと違う政治を行なおうとしたのだが……。
以上が序盤のストーリーである。『王になった男』は、朝鮮王朝の史実をベースにしながら意表を突く要素も加わって、とても面白いストーリーに仕上がっている。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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