韓国ドラマを長く見てきて、本当に親しみが持てる俳優だ。チョン・ドンファンはユン・ソクホ監督作品の常連であり、『冬のソナタ』では主人公チュンサンのライバルとなるサンヒョクの父親を演じていた。
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その父親は大学教授だったが、チョン・ドンファンはいかにも信頼感のある人物像を誠実に演じていた。
一転して、チョン・ドンファンが『トンイ』で演じた高官オ・テソクは、権力を得るために非情な行動を画策する寝業師のような人物だった。狡猾な面もありそうな男であり、完全に主人公トンイと真逆なタイプであった。
こうした悪役に扮しながら、ドラマを見ていてどこか親しみを感じてしまうのは、チョン・ドンファンの温かみのある人間性のおかけだろうか。
『トンイ』以降でも、実力と人柄が評価されて出演要請がとても多く、次々に出演作を重ねている。
たとえば、『王女の男』(2011年)で朝鮮王朝5代王・文宗(ムンジョン)を重厚に演じたのを皮切りに、『大王の夢』(2012年~2013年)、『ナイン~9回の時間旅行~』(2013年)、『相続者たち』(2013年)、『グッバイ ミスターブラック』(2016年)、『アバウトタイム~止めたい時間~』(2018年)、『熱血司祭』(2019年)、『ホテルデルーナ~月明りの恋人~』(2019年)、『マネーゲーム』(2020年)などで名演技を見せていた。
さらに、『Mine』(2021年)では傲慢な会長というクセの強いキャラを演じていたし、『ブレインズ~頭脳共助~』(2023年)では神経系の医学者という自身のイメージにピッタリ合う役に扮していた。
最近では、『その電話が鳴るとき』(2024年)が印象的だった。ユ・ヨンソクが演じる大統領室報道官ペク・サオンの祖父となる国会議員ペク・ジャンホに扮していた。政治家らしい物腰を見せていたのはさすがだった。
本当に出演作が多いチョン・ドンファン。それぞれ違う職業の人物を多様に演じたので、1人で何人分かの人生を味わった気分になっていることだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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