『優しい男の物語』のリュ・ヘヨンが紡ぐリアルな共感、観る者の胸に残る演技の魅力

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韓国ドラマ『優しい男の物語』(日本ではDisney+で配信中)は、柔らかな題名とは裏腹に、愛と暴力、夢と現実の狭間でもがく人間たちの姿を描いた重厚な物語である。

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物語の中心にいるのは、裏社会で生まれ育ちながらも繊細な感性を隠し持つ青年、パク・ソクチョル(演者イ・ドンウク)だ。

彼は三代にわたって組織に生きてきた家系の長男として、冷酷さを期待される立場に置かれている。しかし心の奥底では、小説を書き、人の心を揺さぶる言葉を紡ぐことを夢見ていた。

ヘミングウェイのように、痛みや矛盾を超えて生きる人間の姿を描きたいという願望を抱えながら、日々の暴力と責任に押しつぶされそうになる。誰にも言えない密かな夢と、背負わされた宿命。その対比が、視聴者に静かな共感と切なさを与えている。

物語に欠かせない存在が、ソクチョルの妹パク・ソクヒである。彼女は一家の中で最も優秀な人材とされ、家族の誇りを背負うエリートである。

看護師として働きながらも、自らの人生を選び取ろうとする強さを秘めている。職場では整形外科医チャン・ギホン(演者ムン・テユ)とひそやかな恋を育んでいる。

リュ・ヘヨン
リュ・ヘヨン

多彩な色彩を放つ存在

このパク・ソクヒを演じるのが、リュ・ヘヨンである。

彼女は、『恋のスケッチ~応答せよ1988~』でソン・ドクスン(演者Girl’s Dayのヘリ)の姉であり、ソウル大学生ソン・ボラを演じ、『ロースクール』でロースクールの学生カン・ソル(a)に扮し、『瑞草洞<ソチョドン>』では、勝気で闘志に満ちた弁護士ペ・ムンジョンを演じた。

リュ・ヘヨンの魅力は、一見すると堅実で知的な役柄に見えても、その内側に潜む人間的な弱さや葛藤を自然に表現できるところにある。

彼女が演じるキャラクターは、完璧ではないがだからこそ共感を呼び、観る者の胸に深く残る。

『優しい男の物語』においても、兄と対峙し、家族の重圧に揺れながらも自分自身の人生を選び取ろうとするソクヒの姿に、視聴者は強い感情を揺さぶられるだろう。

リュ・ヘヨンの歩みは、韓国ドラマ界で多彩な色彩を放つ存在としての証であり、彼女が織り成す新たな物語は今後も私たちを魅了し続けるに違いない。

◆『優しい男の物語』概要

放送局:JTBC(2025年)
出演者(役名):イ・ドンウク(パク・ソクチョル役)、イ・ソンギョン(カン・ミヨン役)、パク・フン(カン・テフン役)、リュ・ヘヨン(パク・ソクヒ役)、オ・ナラ(パク・ソッキョン役)
監督:ソン・ヘソン (『パイラン』『高齢化家族』『私たちの幸せな時間』など)、パク・ホンス (『LOST 人間失格』など)
脚本:キム・ウンギョン (『ユナの街』『ソウルの月』『青い鳥はいた』など)、キム・ヒョソク (映画『野党』など)
配信情報:Disney+のスターで独占配信中

文=大地 康

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