俳優イ・ビョンホンが主演映画『勝負』(邦題は『スンブ:二人の棋士』)で「第61回百想芸術大賞」の最優秀演技賞(男性部門)にノミネートされたが、惜しくも受賞は逃した。
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しかし彼は、同じ場にいた俳優仲間たちに温かい拍手を送り続け、その品格ある姿勢で「俳優イ・ビョンホン」の存在感をあらためて示した。
5月5日、ソウル・江南区のCOEX Dホールにて「第61回百想芸術大賞 with GUCCI」が開催された。各部門の実力派候補たちが栄冠を目指して競うなか、映画部門の最優秀演技賞(男性)はユン・ジュサン、イ・ビョンホン、イ・ヒジュンを抑え、『パイロット』のチョ・ジョンソクが受賞した。
イ・ビョンホンは映画『勝負』で韓国囲碁界の“生きる伝説”ことチョ・フンヒョン9段を演じ、まるで憑依したかのような圧倒的な演技を披露。
繊細な表情の変化と抑制の効いた感情表現、そして圧倒的な存在感でスクリーンを埋め尽くした。
観客からは「まるで本人が演じているようだ」との声が上がり、作品は200万人を超える観客動員を記録した。
終盤の弟子イ・チャンホ(演者ユ・アイン)との対局シーンでは、息づかいまで計算されたような集中力を見せ、観る者に“息を呑む”ような緊張感を与えた。
まるでチョ・フンヒョンの過去を映し出すようなイ・ビョンホンの演技は、評論家・観客の双方に深い印象を残した。
イ・ビョンホンは百想芸術大賞との縁も深い。
2006年には映画『甘い人生』で「第42回百想芸術大賞」の映画部門の最優秀演技賞を受賞、2020年にはドラマ『ミスター・サンシャイン』で「第56回百想芸術大賞」のテレビ部門大賞にも輝いている。
映画・ドラマを問わず高く評価される“信頼できる俳優”として、百想が愛する存在でもある。
今回は受賞を逃したものの、イ・ビョンホンは席を離れることなく、同僚たちの受賞を拍手で称え続けた。その姿勢は画面を通してもしっかりと伝わった。
隣に座っていたユ・ジェミョンが助演男優賞を受賞した際には、握手を交わして熱く祝福する一幕もあった。
こどもの日を記念して公開した自身の幼少期の写真も、和やかな雰囲気を演出した。
とはいえ、今回の授賞式はイ・ビョンホンにとってどこか寂しさの残る場でもあった。
同作で共演したユ・アインは麻薬使用の罪で起訴され、現在は執行猶予中の身。映画の公開時もひとりでプロモーションを担っていたイ・ビョンホンは、今回の授賞式でも一人で『勝負』を代表し、作品への誠意を見せ続けた。
トロフィーこそ手にしなかったが、イ・ビョンホンは最後まで心からの拍手で会場を包んだ。トロフィーがなくとも、彼はやはり“最も強い俳優”であることに変わりはなかった。
イ・ビョンホンが主演した映画『スンブ:二人の棋士』は、5月8日よりNetflixで配信される。
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