韓国ドラマが好きな人でも、ジャンルとして時代劇を敬遠してしまう人もいるだろう。「歴史の知識がないと楽しめない」と思ってしまうからかもしれない。でも、大丈夫。韓国の歴史を知らなくてもメチャ楽しめる時代劇を5本選んでみよう。
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【宮廷女官チャングムの誓い】(2003-2004年)
「時代劇の巨匠」と称されるイ・ビョンフン監督が手がけた作品の中でも突出した傑作である。イ・ヨンエが演じたチャングム(長今)は「朝鮮王朝実録」に10カ所ほどの記載がある医女。
イ・ビョンフン監督はその女性を主人公に設定し、前半では優れた才能を持つ料理人として描き、中盤で彼女が陰謀によって済州島(チェジュド)に流罪になると、そこで医術を学ばせてドラマの後半では医女として大活躍させている。イ・ヨンエの演技力が誇らしいほど高く、その存在感は多くの時代劇の中でも特に光り輝いていた。
【太陽を抱く月】(2012年)
序盤ではヨ・ジングとキム・ユジョンという天才子役の2人が、大人顔負けの演技を見せ、韓国で视聴率が爆発的に上がった。
大人の役を引き継いだキム・スヒョンとハン・ガインは、強い重圧を感じたそうだが、謎めいた関係を美しく演じた。物語は史実に基づかない仮想の設定だが、ドラマが繰り出す大妃の陰謀は、いかにも歴史上ありそうな真実味に溢れていた。
【イ・サン】(2007-2008年)
冒頭で、思悼世子(サドセジャ)の米びつ事件という悲劇的な史実を巧みにストーリーに組み込んでいた。同時に、暗殺の危機におびえながらも難局を乗り越えて成長するイ・サンの姿が感動的だった。主役のイ・ソジンは悩める国王を真摯に演じ、ヒロインに扮したハン・ジミンの清楚なイメージも心に残った。
【王になった男】(2019年)
主役のヨ・ジングが、光海君(クァンヘグン)と道化師の1人2役を見事に演じ分けた。「国王と道化師が全く別人のように入れ替わる場面」は特に見応えがあり、イ・セヨンが演じた王妃とのラブロマンスも秀逸であった。ストーリーは重層的に組まれ、次々に事件が起こる展開が本当に興味深かった。
【トンイ】(2010年)
脚本がとても工夫されていて物語に深みがあった。イ・ビョンフン監督は歴史上で謎に包まれていた淑嬪・崔氏(スクピン・チェシ)を王宮の中で誠実に生きるヒロインに設定。
主演のハン・ヒョジュが彼女を明るくハツラツと演じて、ドラマが大成功した。イ・ソヨンが演じた張禧嬪(チャン・ヒビン)も単純な悪女ではなく、家族のために悪女にならざるを得ない事情をシリアスに描いていた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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