韓国時代劇を見ていて気になるのは、「描かれている時代はいつなのか」ということだ。そこで、人気を誇るドラマについて、その時代背景を見ていこう。
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最初に『宮廷女官チャングムの誓い』から。
第1話で元王妃が無理に毒を飲まされて自害する場面がある。この元王妃とは廃妃(ペビ)になった尹(ユン)氏のことで、彼女が自決したのは1482年のことだった。そして、ドラマは最後に11代王・中宗(チュンジョン)が世を去るところまで描かれている。それが1544年である。
このように、『宮廷女官チャングムの誓い』という時代劇は1482年から1544年までの62年間が描かれていた。最後の1544年といえば、日本なら織田信長が10歳のときだ。つまり、『宮廷女官チャングムの誓い』は日本に置き換えれば、室町時代後期から戦国時代に移っていく頃を描いていたということになる。
一方、『宮廷女官チャングムの誓い』の最終話だった1544年から137年後の朝鮮王朝時代を描いたのが『トンイ』の第1話だった。それは1681年のことであり、19代王・粛宗(スクチョン)が即位して7年後だった。
そして、『トンイ』の最終話は、粛宗の二男だった21代王・英祖(ヨンジョ)が1724年に即位したところで終わっている。つまり、『トンイ』は1681年から1724年の43年間を描いているのだ。日本でいえば、江戸時代の前期に当たっている。
次に『イ・サン』の歴史背景を見てみよう。
第1話は、英祖の息子であった思悼世子(サドセジャ)が米びつに閉じ込められている場面から始まっている。それは1762年だ。そのとき、主人公のイ・サンは10歳であった。
彼は1776年に即位して22代王となり、48歳だった1800年に世を去っている。このように、『イ・サン』が描いたのは,1762年から1800年までの38年間であった。日本では江戸時代の後期に該当している。
こういう歴史的な時系列を頭に入れておくと、各時代劇のつながりもよくわかってくるだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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