大都会に住む裕福な人たちが主人公になりやすいのが韓国ドラマ。地方に住む庶民的な人たちのストーリーはどんどん少なくなってしまう……そう思っていたら、意外と風光明媚な場所を舞台にした人情ドラマの傑作が増えてきた。特に港町が登場するドラマが目立つ。そんな中から究極のベスト3を選んでみよう。
【写真】【ウラ話】『椿の花咲く頃』カン・ハヌルの意外な「休日の過ごし方」
3位/『椿の花咲く頃』
(2019年/KBS/全40話)
出演者(役名)/コン・ヒョジン(ドンベク)、カン・ハヌル(ファン・ヨンシク)、キム・ジソク(カン・ジョンニョル)、オ・ジョンセ(ノ・ギュテ)
サスペンスの要素もあって多様性を持ったドラマなのだが、根本的には海辺の町の人情物語だ。シングルマザーのドンベクがスナックを開き、警察官のヨンシクが惚れてしまう。さらには、元ダンナで野球選手のジョンニョルがドンベクに付きまとってくる。
そんな三角関係の中で、連続殺人事件が起こるという緊張感もあるのだが、全編を通して地元の商店街の人たちの賑やかな話がドラマを大いに盛り上げる。脇役が名人だらけなので、テンポがハンパなくスムーズでエピソードが痛快だ。
2位/『海街チャチャチャ』
(2021年/tvN/全16話)
出演者(役名)/シン・ミナ(ユン・ヘジン)、キム・ソンホ(ホン・ドゥシク)、イ・サンイ(チ・ソンヒョン)、コン・ミンジョン(ピョ・ミソン)
主役2人は典型的な美男美女。脇を固めるのは隣にいそうな庶民派。この対比が見事だ。ソウルにいられなくなって海辺の町にやってきた歯科医師のヘジン。なんでも器用にこなす便利屋のドゥシクが彼女をサポートしていく。
いつしかラブラブな関係になっていくのだが、2人を取り巻く港町の人たちの生活ぶりがとにかく楽しい。さらに、ヘジンとドゥシクには様々なトラブルが巻き起こってくるが、海辺の美しい風景が2人を痛快に包んでくれて見応えがある。
1位/『私たちのブルース』
(2022年/tvN/全20話)
出演者(役名)/イ・ビョンホン(イ・ドンソク)、シン・ミナ(ミン・ソナ)、イ・ジョンウン(チョン・ウニ)、ハン・ジミン(イ・ヨンオク)
企画した「巨匠」脚本家のノ・ヒギョンによると、このドラマは「地方に住む庶民たちを勇気づける物語」なのだという。実際、済州島(チェジュド)の美しい海を背景にして、出会う人がみんな親戚のような雰囲気だ。
その中で、人間くさい登場人物がオムニバス形式で次々に主人公になり、最高の人間ドラマを演じてくれる。そこには、大都会のドラマにありがちな「デリシャス」や「ファッショナブル」はないのだが、「生きていて良かった」という感動的な涙のシーンがたくさん織り込まれている。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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