最後まで大いに盛り上がった『暴君のシェフ』。終盤のストーリーは歴史的な大事件であった甲子士禍(カプチャサファ)をモチーフにしていた。これは、死罪になった母の死の真相を知った燕山君(ヨンサングン)が逆上し、死罪に関係した人たちを大虐殺した出来事だった。
起きたのは1504年。その時に『暴君のシェフ』の登場人物のモデルになっている実在人物は何歳になっていただろうか。
その前に、『暴君のシェフ』で明らかにモデルがいる人を取り上げてみよう。
国王イ・ホン(演者イ・チェミン)のモデルは燕山君。
インジュ大王大妃(演者ソ・イスク)のモデルは仁粋(インス)大妃。
チャヒョン大妃(演者シン・ウンジョン)のモデルは慈順(チャスン)大妃。
チンミョン大君(演者キム・ガンユン)のモデルは晋城大君(チンソンデグン)となっている。
それでは、1504年に起きた甲子士禍の時の実年齢を見て行こう。
燕山君は1476年生まれで28歳。
仁粋大妃は1437年生まれで67歳。
慈順大妃は1462年生まれで42歳。
晋城大君は1488年生まれで16歳。
このように見ていくと、燕山君は意外と実年齢が若かったと言える。暴君というと、中年になってから生活態度が荒れて常軌を逸するというイメージがあるが、燕山君は1494年に即位し、若い時から暴君として非道な政治を行っていた。
結局、28歳の時に大虐殺事件を起こし、30歳で廃位になっている。そういう意味では、イ・チェミンが演じた国王イ・ホンは、燕山君の実年齢ともよく合っていたと言える。
晋城大君は1504年の段階では16歳になっており、『暴君のシェフ』で描かれた年齢は若すぎるかもしれない。もう少し成長したチンミョン大君を出していても良かった。
一方、仁粋大妃は1504年に67歳なので、インジュ大王大妃とピタリ合っている感じだ。チャヒョン大妃は甲子士禍の時は42歳だった。『暴君のシェフ』のほうは少し年上の設定になっていた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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