【歴史コラム】イ・サンの叔母だった和緩翁主はなぜカタキ役になったのか

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9月1日からテレビ東京で始まった『赤い袖先』。9月6日に放送された第4話では次々に重要な登場人物が出てきている。その中で特筆したいのが、ソ・ヒョリムが演じている和緩(ファワン)翁主(オンジュ)である。彼女は、イ・ジュノが扮するイ・サンを世孫(セソン)から引きずり降ろそうとする役割を演じていく。実の叔母であるのに、どうしてそういう立場になってしまったのか。

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実のところ和緩翁主は、イ・サンが即位してしまうと、自分の立場が極端に悪くなってしまうのだ。そのために、どんなひどい手を使ってでもイ・サンの即位を邪魔していこうとしていた。

そんな和緩翁主は英祖(ヨンジョ)の娘だ。この場合の翁主は、国王の側室が産んだ王女を指しており、彼女の母親は英祖の側室だった映嬪・李氏(ヨンビン・イシ)となっている。

同じ母親から生まれた実の兄が思悼世子(サドセジャ)であった。しかし、和緩翁主と思悼世子は仲が悪かった。結局、思悼世子は素行の悪さを指摘されて英祖によって米びつに閉じ込められて餓死してしまうが、そのときに兄の悪口を英祖に告げ口したのが和緩翁主だった。そこまで和緩翁主は兄のことを嫌っていたのだ。

思悼世子が亡くなった1762年には、イ・サンはまだ10歳だった。それでも彼は当時の事件のことをよく覚えており、叔母の和緩翁主がしたことを決して忘れなかった。それだけにイ・サンはいずれ即位したときに和緩翁主に対して復讐しようと思っていた。

『赤い袖先』ではソ・ヒョリムが和緩翁主を演じた(NBCユニバーサル・エンターテイメント/©2021MBC)

イ・サンを排斥しようとする事情

とはいえ、英祖が生きている間は、イ・サンも感情をまったく表わさなかった。なにしろ、英祖が自分の娘たちを溺愛していたからだ。特に彼は和緩翁主のことをとても大事に思っていた。そんな事情があったので、イ・サンはどんなに和緩翁主からひどいことをされても辛抱した。

すると、和緩翁主はさらに図に乗って、イ・サンを世孫から排斥する動きを強めていく。そうした事情も『赤い袖先』ではじっくり描かれていくことになるであろう。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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