NHK・BSプレミアムで8月7日に放送された『七日の王妃』第18話では、燕山君(ヨンサングン)を王宮から追放するためのクーデターが起き、反乱軍がそれを成功させる。こうしてイ・ドンゴンが演じる燕山君は廃位となり、ヨン・ウジンが扮する晋城大君(チンソンデグン)が中宗(チュンジョン)として即位を果たす。
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それにともなって、パク・ミニョンが演じるシン・チェギョンは王妃になる流れとなるのだが、その前に彼女にとって最大の悲劇が起こっていた。それは、最愛の両親がクーデター軍によって殺害されてしまったのである。
無惨な姿になった両親を見て、シン・チェギョンは「絶対に許せない!」という強い気持ちを抱くようになる。
こうして『七日の王妃』の終盤は最大のヤマ場を迎えていくのだが、史実では、シン・チェギョンの父親だった慎守勤(シン・スグン)はどのような経緯で命を奪われていったのか。歴史的な事実を基に説明しよう。
慎守勤はもともと燕山君の側近であった。実際、彼の妹は燕山君の正室になっていたのだ。同時に、慎守勤の娘(シン・チェギョン)は晋城大君の妻であった。いわば、慎守勤は燕山君と晋城大君の両方の親族になっていたのである。
クーデター軍を率いていた朴元宗(パク・ウォンジョン)は、「反乱を起こしたとき、慎守勤はどちらの味方をするだろうか」と注視していた。
そこで、朴元宗は決起する前に、慎守勤を訪ねて動向をうかがってみた。彼が燕山君の側につくのか、晋城大君の味方をするのか……その真意をさぐると、慎守勤は燕山君を守る姿勢を鮮明にした。
その時点で慎守勤はクーデターの邪魔になると考えた朴元宗は、決起する前に真っ先に慎守勤を殺した。このことを晋城大君はまったく知らなかった。
つまり、慎守勤の死に関して晋城大君は何の責任もない。すべては朴元宗たちが独自に行なったことだ。
以上が史実である。しかし、『七日の王妃』では晋城大君が慎守勤の殺害に関わっているとシン・チェギョンが錯覚してしまう。
こうして、ドラマは一気に悲劇的な方向に進んでいってしまうのである。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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