『風と雲と雨』で強烈な存在感を放つ趙大妃のトラウマとは?

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テレビ東京の韓流プレミアで放送中の時代劇『風と雲と雨』は、中盤を迎えてますます面白くなっている。このドラマで、王族の最長老として国王継承問題で力を見せつけているのが、キム・ボヨンが演じている趙(チョ)大妃(テビ)である。

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大妃というのは、国王の母親を意味している。とはいえ、彼女は在位していた哲宗(チョルチョン)の実の母親ではない。あくまでも王家の中で哲宗の母親の資格を持っているというわけだ。

細かく言うと、趙大妃は哲宗の先王だった憲宗(ホンジョン)の実母だ。つまり、本来は憲宗の大妃だったのだ。それなのに、当時の趙大妃にはあまり実権がなかった。それは、恐ろしい姑(しゅうとめ)がいたからだ。その姑というのが、純祖(スンジョ)の正室だった純元(スノォン)王后だった。

純元王后は、19世紀前半の朝鮮王朝において絶大な権力を維持した女帝だ。彼女は自分の一族に権力を掌握させて王朝を徹底的に支配した。まさに、怪物クラスの女性だ。

しかし、頭脳明晰で名君になれる素質を持った息子の孝明(ヒョミョン)世子を21歳で亡くしてしまった。その孝明世子の妻だったのが、後の趙大妃だったのである。

結局、純元王后は純祖が亡くなったあとに孫(孝明世子の息子)を7歳で即位させて憲宗として王位に就けた。

キム・ボヨンが趙大妃を演じている(写真提供=© 2020 TV Chosun)
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趙大妃のトラウマ

こうして趙大妃は国王の母になったのだが、実権はなかった。その上に大王大妃(テワンテビ/国王の祖母)の純元王后が絶対的な権力者として君臨したからだ。

とにかく、純元王后は徹底的に趙大妃を従わせた。それは、趙大妃が屈辱を感じるほどであった。その悔しさは、まさに趙大妃のトラウマとなってしまった。

張本人であった純元王后が世を去ったのは1857年であった。これによって趙大妃を悩ませた元凶がなくなり、彼女はようやく大妃として本来持っているはずの権威を示すことができた。

こうして、趙大妃は哲宗の後継者問題でも大きな影響力を見せることが可能になった。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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