史実で楽しむ『ヘチ』…チョン・イル演じる英祖が重視した“まつりごと”とは?

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『ヘチ 王座への道』はNHKの総合テレビで毎週日曜日に放送されてきた。途中、3週間オリンピックの影響で休んだが、再開されて8月22日で第23話を迎える。いよいよ残りは2話だけになった。

この第23話では即位直後の英祖(ヨンジョ)を悩ませていた反乱も終結し、彼も民衆のための新しい政治に集中するようになる。その際に英祖が重要な政策として打ち出したのが、人事の公平性だった。

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これは史実でも、英祖の重要な業績として特筆されているものだ。

というのは、それ以前の人事というものは、各派閥の思惑が優先されて、とても偏ったものだった。

わかりやすく言えば、英祖の前の景宗(キョンジョン)の治世時代には、彼を支えていた少論派(ソロンパ)が勢いを得ていて、彼らに重要な役職が集中していた。それはあまりに極端だったのだ。

『ヘチ』で英祖を演じたチョン・イル

クライマックスに向けて

そんな景宗の治世が終わり、今度は英祖の時代になったわけだが、すると英祖を支持していた老論派(ノロンパ)は「今度は我らが重職を独占できる」と勝手に思い込んでいた。それが今までの朝鮮王朝の政治的なやり方だったからだ。

しかし、英祖はそういう弊害を取り除き、風通しのいい人事システムを構築しようとした。その意図のもとで、彼はそれまで冷や飯を食わされていた派閥(たとえば南人派〔ナミンパ〕)にも公平に役職を与えようとした。

当然ながら、老論派は反発する。「分け前が減る」というのは我慢ならないことなのだが、英祖は意に介さなかった。派閥偏重主義では人事の問題は絶対に解消しないと知り抜いていたからだ。

彼はなんとしても公平な人事を定着させて、政治体制を安定させなければならない、と強い決意を持っていた。そういう信念のもとで英祖は新しい政治に取り組んだ。

『ヘチ 王座への道』の第23話では、チョン・イルが演じる英祖が人事の公平性を実現させるために懸命な努力を続けていく。そうした名君の誕生をドラマは史実に即してしっかり描いていた。そして、クライマックスに向けて物語を大いに盛り上げた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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