NHK総合テレビの日曜日午後11時から『ヘチ 王座への道』が放送されていて好評を博している。このドラマでは、人気俳優のチョン・イルが主役のヨニングン(延礽君)に扮していて、安定した演技を見せている。
本当に、チョン・イルは華がある役者だ。そして、哀愁がある表情が美しい役者でもある。
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『ヘチ 王座への道』では、チョン・イルが演じるヨニングンは常に苦境の中にいた。最初は19代王・粛宗(スクチョン)の息子でありながら、母の身分があまりに低いということで不当に周囲から軽く見られていた。
さらに、露骨な差別も受けた。それゆえに、ドラマの中のヨニングンは哀しみに打ちひしがれることが多かった。そんな場面でも、チョン・イルは多様な演技力で哀しみに優しさを付け加えていた。その優しさが垣間見られたので、視聴者はヨニングンの表情に希望を見出すことができたのだ。
20代王・景宗(キョンジョン)の異母弟としてヨニングンが世弟(王の後継者となる弟)になってからも、彼は常に困難にさらされて、世弟の資格取り消しが何度も議論されてしまう。ヨニングンは正しいことをまっすぐに進めようとして、欲深い人から敵意を向けられてしまうのだ。
そんな苦境の中にあっても、ヨニングンには前向きに生きて行こうという希望があった。その明るさをチョン・イルは屈託なく演じきっていた。
本当に彼は主役として引き出しが多い俳優だ。
そのチョン・イルは、韓国で今年5月から放送が始まった新ドラマ『ポッサム 運命を盗む』(原題)に主演している。その制作発表会が4月30日にオンラインで行なわれたが、その場で彼は次のように抱負を述べていた。
「アクションシーンの演技でも、キャラクターを表現することができますね。特に、以前もやっていた繊細なアクションの演技ではなくて、ちょっと荒っぽい姿がそのまま出せるようにワイルドなアクションをしようと努力しています」
このように、チョン・イルはワイルドなアクションを披露したいと意欲を語った。
この『ポッサム 運命を盗む』はポッサム(寡婦を連れ去って再婚させてしまうこと)などを専門としている主人公が、こともあろうに王女を間違って連れ去ってしまうという時代劇だ。それにしても、チョン・イルは本当に時代劇がよく似合う。
『ヘチ 王座への道』から『ポッサム 運命を盗む』へ。チョン・イルの時代劇の魅力が続いている。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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