朝鮮王朝の21代王として即位した英祖(ヨンジョ)は、朝鮮王朝で一番長生きした王として有名な王だ。
彼は在位中に、各派閥から人材を公平に登用する蕩平策(タンピョンチェク)を行なうという功績を残している一方で、息子である思悼世子(サドセジャ)を餓死させるという事件を起こしている。
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しかし、英祖はなぜ自分の後継者となる息子を餓死させなければならなかったのか。
思悼世子は頭脳明晰な世子(セジャ)だったのだが、側室の殺害や家臣への暴力など性格が悪く、さらには怪しい者たちと放蕩を繰り返しており、とても素行が悪かった。
父親である英祖から何度も叱責を受けた思悼世子だが、彼の素行は一向に改善されなかった。
今の思悼世子に王位を譲るわけにはいかないと考えた英祖が注目したのが、思悼世子の息子である祘(サン)だ。
英祖としても、幼いころからしっかりした考えを持っており、勉学にも励んでいた祘に王位を継がせたいと思ったことだろう。
結果として、英祖は思悼世子を米びつに閉じ込めて餓死させてしまったが、後にそれを後悔している。
そんな英祖は孫である正祖を高く評価しており、代理聴政(テリチョンジョン)をさせようとするが、高官たちの反対にあう。それでも一歩も引かなかった英祖は、強い姿勢を見せて高官たちの反対を抑え込んだ。
その結果として、孫の祘が22代王・正祖(チョンジョ)として即位したのである。
以上のように、自分が52年間も就いていた王位を誰に譲るかで苦悩していた英祖。彼の若き日を描いた時代劇『ヘチ 王座への道』が2月14日から放送されている。
英祖が王として即位する前の名前は延礽君(ヨニングン)と呼ばれており、その彼を演じるのが俳優のチョン・イルだ。
21代王の英祖として即位するまで、どのように物語が進んでいくのだろうか。チョン・イルの演技に注目しながら、物語の今後の展開に期待が大きく高まる。
文=大地 康
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