ドラマ『イ・サン』こと正祖(チョンジョ)が実際に進めた現実的な政策とは?

2020年06月28日 歴史 #歴史人物
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イ・ソジン主演で日本でも人気を呼んだ時代劇『イ・サン』でも描かれている通り、朝鮮王朝の王の中でも名君といわれている正祖(チョンジョ)。

その業績の一つに「辛亥通共(シネトンゴン)」(1791年)という政策がある。これは一言で、商人たちの自由な商業活動を認めるという主旨の政策だった。

当時は国庫の剰余品を販売する「市廛(シジョン)」だけが、朝廷に認可された唯一の商店だった。ここの商人たちには、特定の商品を独占販売できる「禁乱廛権(クムナンチョンクォン)」という特権が与えられていた。逆にいえば、彼らしか自由な商業活動は認められていなかったというわけだ。

しかし、正祖の治世になると、禁止されている“闇市”の商人が急増。1678年になって登場した通貨「常平通宝(サンピョントンボ)」が少しずつ浸透したこともあってか、自由な経済活動が日々活性化していたのだ。その結果、封建的な「禁乱廛権」への反対が強まっていった。

朝鮮王朝の貨幣経済の実態

そんな要求を受けて、正祖は辛亥通共を通じて、一部商人の特権を廃止。開業30年未満の市廛は撤廃されることとなった。その後も禁乱廛権が認められることもあったが、商人を中心とする自由経済が発展していくこととなった。経済発展をうながした、正祖の善政といえるかもしれない。

正祖の肖像画(写真=御真博物館)

ちなみに常平通宝は、朝鮮王朝時代に唯一、広く流通した通貨で、約200年間にわたって使われたという。韓国では1900年に入って、近代的な金本位制を施行するための法的制度が作られている。

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