韓国の俳優の中でナムグン・ミンに対しては、特別な信頼感がある。何よりも、彼の主演作には駄作がない。心を震わせるような名作のラインナップがナムグン・ミンのキャリアを華麗に彩っている。
それだけに、彼が主演すると期待感がとても大きくなる。そして、いつものように大満足の結果をもたらしてくれるのだ。
2023年にナムグン・ミンが主演した『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』はどうだろうか。
歴史劇として圧倒的な重厚感を持っている。17世紀の朝鮮王朝に起こった清国との厳しい戦乱を描いていて、壮大な叙事詩のようなスケールを感じる。長く韓国時代劇を見てきて、「他に類するドラマがあったかな」と想像をめぐらせても、まったく思い浮かばない。まさに韓国ドラマ界の唯一の歴史巨編だと思える
このドラマでナムグン・ミンが演じるのは、ほとばしる才能で彩られたイ・ジャンヒョンだ。優雅な佇まいを持ち、決して自分の素顔を見せない。
表向きには、女好きだが非婚主義者であり、商人のセンスを発揮しながら通訳官としても卓越した能力を持っている。このように常識では捉えられない男をナムグン・ミンが演じるのだから、主人公の魅力はとてつもない。まさに、イ・ジャンヒョンは誰もが想像する「最高の男」のさらに上を行く「超スーパー」な男だと言えるだろう。
ヒロインのユ・ギルチェに扮するのは、『賢い医師生活』シリーズよく知られるアン・ウンジンだ。本来なら世間知らずの典型的なお嬢様キャラであるユ・ギルチェが、戦乱が起こってから骨太に自立していく。このように「たくましい女性」に変わる様子は凄まじく迫力があった。
こうした主人公2人は、平時であれば平凡なラブロマンスに陥ったかもしれないが、恐ろしい戦乱が2人の前にたちはだかった。
それは、1636年の冬のことだった。清国の大軍が国境を越えて朝鮮王朝の首都・漢陽(ハニャン)の近くまで押し寄せてきたのだ。この緊急事態の中で、イ・ジャンヒョンとユ・ギルチェの運命は想像もできないほどに激変していく。
しかし、過酷な日々は2人の「永遠の愛」の大きな試練を呼ぶ。愛を成就するために2人は、目の前の壁を絶対に乗り越えなければならない。その壮絶な愛の軌跡をドラマはダイナミックに描いていく。
共演者にはイ・ハクジュ、イ・ダイン、キム・ユヌ、キム・ムジュン、チ・スンヒョンなどが顔を揃えている。
また、脚本を書いたのは『帝王の娘 スベクヒャン』や『逆賊-民の英雄ホン・ギルドン-』で知られるファン・ジニョンであり、演出は『黒い太陽~コードネーム:アムネシア~』のキム・ソンヨンなどが担当した。
魅力的な出演陣と実績のあるスタッフの総合力によって、『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』はまさに不滅の金字塔に達したと言っても過言ではない。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
◆作品情報
『恋人~あの日聞いた花の咲く音~』
2024年7月3日(水)発売 DVD-SET1、
2024年8月2日(金)発売 DVD-SET2
2024年9月4日(水)発売 DVD-SET3
各14,740円(税抜13,400円)
※レンタルDVD同時リリース
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント ©2023MBC
☆2024年7月3日(水)よりU-NEXTにて独占先行配信開始
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